DEEPPOINTDEEPPOINT
連載「市場をどう見るか第一回

AIをどう見るか

AIをどう見るか

ソフトウェアから、企業・産業・国家の意思決定インフラへ。KPMGで監査、IPO、M&A、財務戦略に関わってきた立場から見ると、AIは単なる業務効率化ツールではありません。ソフトウェア、データ、半導体、クラウド、ロボティクス、サイバーセキュリティ、医療、金融、製造、防衛を横断し、企業と国家の競争力を再定義する基盤技術です。

DEEPPOINT編集部DEEPPOINT編集部
公開 2026.07.09更新 -

※本記事にはプロモーションが含まれます。

KPMGで監査、IPO、M&A、財務戦略に関わってきた立場から見ると、AIは単なる業務効率化ツールではありません。ソフトウェア、データ、半導体、クラウド、ロボティクス、サイバーセキュリティ、医療、金融、製造、防衛を横断し、企業と国家の競争力を再定義する基盤技術です。

用語解説

AI:Artificial Intelligenceの略。人間の知的活動に近い認識、予測、生成、判断、最適化をコンピュータで実現する技術。

生成AI:文章、画像、音声、動画、コード、3Dデータなどを生成するAI。大規模言語モデルが代表例。

基盤技術:単独の製品ではなく、複数の産業やサービスの土台として広く使われる技術。

AIは、過去の機械学習、画像認識、検索、レコメンドを超え、2022年以降は生成AIによって急速に一般化しました。現在の焦点は、チャットボットの導入から、業務プロセス、意思決定、ソフトウェア開発、研究開発、顧客対応、営業、法務、会計、製造現場へAIを組み込む段階へ移っています。

用語解説

機械学習:データからパターンを学習し、予測や分類を行うAI技術。

レコメンド:ユーザーの行動や属性に基づき、商品、動画、記事、広告などを推薦する仕組み。

業務プロセス:企業内で仕事が進む一連の流れ。営業、契約、請求、審査、製造、問い合わせ対応など。

参照図表1:世界AI市場規模の推移

AI市場は、調査会社によって定義が大きく異なります。AIソフトウェア、AI対応アプリケーション、インフラ、クラウド、ITサービス、生成AI、半導体まで含めるかで数値は変わります。Grand View Researchは、世界AI市場を2025年3,909億ドル、2030年1兆8,117.5億ドル、2033年3兆4,973億ドル規模へ拡大すると予測しています。

用語解説

市場定義:市場規模を計算する際に、ソフトウェア、ハードウェア、クラウド、サービス、半導体などをどこまで含めるかという範囲。

AI対応アプリケーション:CRM、ERP、検索、開発支援、業務ツールなど、AI機能を組み込んだアプリケーション。

AIインフラ:GPU、データセンター、クラウド、ストレージ、ネットワーク、MLOpsなど、AIを動かす基盤。

図表1-A:世界AI市場規模の推移

単位:十億米ドル。Grand View Researchの2025年実績推定・2030年/2033年予測を基に作成。

図表1-B:AI支出と企業AI市場の見方

単位:十億米ドル。IDCのAI支出見通し、Grand View ResearchのEnterprise AI市場予測を比較。

この数字が示すのは、AIが「ソフトウェア機能」から「企業投資カテゴリー」へ変わったということです。IDCは、AI対応アプリケーション、インフラ、関連IT・ビジネスサービスを含む世界AI支出が2028年に6,320億ドルへ達すると予測しています。AIの主戦場は、モデルそのものだけでなく、業務システム、データセンター、クラウド、コンサルティング、運用、人材教育へ広がっています。

用語解説

企業投資カテゴリー:単発ツールではなく、企業が予算、人材、システム、ガバナンスを組み合わせて継続投資する対象。

ビジネスサービス:AI導入のためのコンサルティング、業務設計、システム統合、教育、運用支援など。

データセンター:AIモデルの学習・推論に必要なGPU、サーバー、電力、冷却、ネットワークを備える施設。

1. AIとは何か

AIとは、人間が行ってきた認識、予測、分類、生成、意思決定、最適化の一部を、コンピュータで実行する技術です。従来のAIは、画像認識、需要予測、不正検知、レコメンドのように、特定タスクに最適化されていました。現在の生成AIは、自然言語を中心に、文章、画像、音声、動画、コード、表データを扱い、より汎用的なインターフェースとして使われています。

用語解説

認識:画像、音声、文字、センサー情報から、対象や意味を理解する処理。

予測:過去データや現在の状態から、将来の需要、価格、故障、行動などを推定すること。

自然言語:人間が日常的に使う言語。日本語、英語など。生成AIでは自然言語が操作インターフェースになる。

汎用インターフェース:特定アプリごとの操作を覚えなくても、言葉で幅広い作業を依頼できる入口。

AIの中核には、データ、モデル、計算資源があります。データはAIが学ぶ材料であり、モデルは学習した知識や判断ロジックであり、計算資源は学習・推論を実行するためのGPUやクラウドです。AIの競争力は、この三つに加えて、業務プロセスへ組み込む設計力と、品質・安全性を管理するガバナンスによって決まります。

用語解説

データ:AIが学習・推論するための情報。文章、画像、取引履歴、センサー値、業務記録など。

モデル:データから学習したパターンや知識を持つ計算システム。LLM、画像生成モデル、予測モデルなど。

計算資源:AIを動かすためのGPU、CPU、クラウド、ストレージ、ネットワークなど。

ガバナンス:AIの利用範囲、リスク、品質、説明責任、法令対応を管理する仕組み。

参照図表2:AIバリューチェーン図

AI産業を理解するには、ChatGPTのようなアプリケーションだけを見るのでは不十分です。半導体、データセンター、基盤モデル、データ、MLOps、アプリケーション、業務実装、ガバナンスが連結して初めて、AIは産業価値を生みます。

図表2:AIバリューチェーン図

AIは、半導体・クラウド・モデル・データ・アプリ・業務実装が連結する総合産業。

領域主な役割代表的プレイヤー・技術
半導体・電力AI学習・推論に必要な計算能力を提供するNVIDIA、AMD、Broadcom、TSMC、SK hynix、GPU、HBM、データセンター電力
クラウド・基盤AIを大規模に学習・推論・運用する基盤を提供するAWS、Microsoft Azure、Google Cloud、Oracle、CoreWeave、MLOps、ベクトルDB
データ・モデル知識や推論能力を持つAIモデルを作るOpenAI、Anthropic、Google DeepMind、Meta、xAI、Mistral、LLM、マルチモーダルモデル
AIアプリユーザーや企業が使う具体的なAI機能を提供するMicrosoft Copilot、ChatGPT、Gemini、Claude、Perplexity、GitHub Copilot、業務AI
業務実装AIを業務プロセスへ組み込み、成果を出すSIer、コンサルティング、業務改革、データ整備、教育、プロンプト設計
安全・統制AIのリスク、品質、責任、法令対応を管理するAI監査、AIセキュリティ、モデル評価、プライバシー保護、NIST AI RMF、EU AI Act
区分領域主な構成要素
Layer 01半導体・電力GPU、HBM、ネットワーク、データセンター、冷却、電力
Layer 02クラウド・基盤AIクラウド、ストレージ、分散学習、推論基盤、MLOps
Layer 03データ・モデル基盤モデル、LLM、マルチモーダル、RAG、企業データ
Layer 04AIアプリCopilot、検索、営業、開発、法務、会計、顧客対応
Layer 05業務実装ワークフロー再設計、権限管理、教育、ROI測定
Layer 06安全・統制AIガバナンス、監査、セキュリティ、プライバシー、法規制
用語解説

LLM:Large Language Modelの略。大量のテキストデータで学習した大規模言語モデル。

マルチモーダル:テキスト、画像、音声、動画、表、コードなど複数種類のデータを統合して扱うこと。

RAG:Retrieval-Augmented Generationの略。外部文書や社内データを検索し、その情報を基にAIが回答する手法。

MLOps:Machine Learning Operationsの略。AIモデルの開発、配備、監視、改善を継続的に行う運用基盤。

ベクトルDB:文章や画像を数値ベクトルとして保存し、意味の近い情報を検索するデータベース。

2. AI分野における技術課題とは

第一の課題は、計算資源と電力です。AIモデルの高性能化には、GPU、HBM、ネットワーク、データセンター、冷却、電力が必要です。AIの競争は、モデル開発力だけでなく、どれだけ計算資源を確保し、効率よく運用できるかの競争になっています。

用語解説

GPU:Graphics Processing Unitの略。並列計算に強く、AI学習・推論の中心的な半導体。

HBM:High Bandwidth Memoryの略。AI向けGPUと組み合わせて使われる高速メモリ。

推論:学習済みAIモデルを使って、回答、予測、生成、分類を行う処理。

冷却:GPUサーバーやデータセンターの熱を除去する技術。空冷、水冷、液浸冷却などがある。

第二の課題は、信頼性です。生成AIは、もっともらしい誤りを出すことがあります。これをハルシネーションと呼びます。企業利用では、誤った契約文、誤った分析、誤った医療情報、誤った財務情報が重大なリスクになります。AIを業務で使うには、出力検証、根拠提示、人間による確認、アクセス権限管理が必要です。

用語解説

ハルシネーション:AIが事実と異なる内容を、もっともらしく生成してしまう現象。

根拠提示:AIの回答が、どの資料やデータに基づくかを示すこと。

Human-in-the-loop:AIの出力を人間が確認・承認する運用。高リスク業務で重要。

アクセス権限管理:AIが参照・操作できるデータやシステムの範囲を制御すること。

第三の課題は、企業データの整備です。AIは汎用知識を持っていても、企業固有の契約、顧客、製品、在庫、業務ルールを知らなければ、実務では十分に役立ちません。社内データが散在し、古く、権限が不明確で、形式が統一されていない場合、AI導入はPoC止まりになりやすいです。

用語解説

企業データ:企業が持つ契約書、顧客情報、商品情報、業務マニュアル、会計情報、ログ、問い合わせ履歴など。

PoC:Proof of Conceptの略。技術が有効かどうかを試す実証。実運用へ進まない場合も多い。

データガバナンス:データの品質、権限、責任者、更新、利用ルールを管理する仕組み。

第四の課題は、AIガバナンスと規制対応です。AIは、個人情報、著作権、差別、説明責任、セキュリティ、雇用、誤情報に関わります。EU AI Actのように、AIのリスク分類と規制枠組みも整備されつつあります。企業は、AIの利用を禁止するのではなく、使ってよいデータ、使ってよい業務、承認プロセス、監査ログを明確にする必要があります。

用語解説

EU AI Act:EUのAI規制枠組み。AIシステムをリスクに応じて分類し、透明性や安全性の義務を定める。

説明責任:AIを使った判断や結果について、なぜそうなったか、誰が責任を持つかを説明できること。

監査ログ:誰が、いつ、どのデータを使い、どのAI機能を実行したかを記録する履歴。

参照図表3:技術ブレイクスルー整理図

AIのブレイクスルーは、モデルサイズだけで起きるわけではありません。大規模言語モデル、マルチモーダルAI、AIエージェント、RAG、推論最適化、エッジAI、AIセキュリティ、AIガバナンスが組み合わさることで、実務で使えるAIになります。

図表3:AI技術ブレイクスルー整理表

課題、解決技術、主要プレイヤー、主なアプリケーションを対応させて整理。

技術領域解決する課題主要プレイヤー・技術主なアプリケーション
大規模言語モデル自然言語理解、文章生成、業務支援OpenAI、Anthropic、Google DeepMind、Meta、Mistral、xAI検索、要約、翻訳、契約、営業、問い合わせ対応
マルチモーダルAI画像、音声、動画、文書、表データの統合理解GPT、Gemini、Claude、Llama、画像・音声・動画モデル医療画像、製造検査、教育、XR、ロボティクス
AIエージェント複数ステップの作業実行、業務自動化Agentic AI、ツール利用、ワークフローAI、API連携営業、経理、法務、開発、カスタマーサポート
RAG・企業データ連携社内情報不足、ハルシネーション、根拠提示ベクトルDB、検索、ナレッジベース、権限連携社内検索、FAQ、契約レビュー、監査、ヘルプデスク
推論最適化コスト、速度、電力、レイテンシ量子化、蒸留、MoE、小型モデル、専用AIチップリアルタイムAI、エッジAI、モバイルAI、企業AI
AI for Science創薬、材料、気候、物理、生命科学の探索AlphaFold、生成モデル、シミュレーション、HPC連携バイオテック、半導体材料、電池、触媒、医療
AIセキュリティ・ガバナンス情報漏えい、誤出力、権限濫用、規制対応モデル評価、レッドチーミング、監査、AI RMF、セキュリティ制御金融、医療、政府、製造、重要インフラ
用語解説

AIエージェント:目標を与えると、複数の手順を計画し、ツールやAPIを使って作業を進めるAI。

量子化:モデルの数値表現を軽くし、推論を高速化・低コスト化する技術。

蒸留:大きなモデルの知識を小さなモデルへ移す技術。

MoE:Mixture of Expertsの略。複数の専門モデルを必要に応じて使い分ける構造。

レッドチーミング:攻撃者や悪用者の視点でAIの弱点を検証する安全性評価。

3. AIにおける技術的解決、すなわちブレイクスルーとは

第一のブレイクスルーは、生成AIの汎用インターフェース化です。従来のソフトウェアは、ボタン、メニュー、フォームに合わせて人間が操作する必要がありました。生成AIでは、人間が自然言語で目的を伝え、AIが複数のシステムやデータを使って作業を支援します。これは、ソフトウェアの操作体系そのものを変える可能性があります。

用語解説

自然言語インターフェース:ボタンやメニューではなく、人間の言葉でコンピュータを操作する仕組み。

システム連携:AIがメール、カレンダー、CRM、会計、契約、データベースなど複数システムとつながること。

操作体系:ユーザーがソフトウェアを使う方法。AIにより、クリック操作から会話・指示型へ変わる可能性がある。

第二のブレイクスルーは、AIエージェントです。AIエージェントは、単に質問に答えるだけでなく、目標を理解し、計画を立て、必要なツールを選び、実行し、結果を確認します。営業資料作成、コード修正、請求処理、問い合わせ対応、調査、契約レビューのような業務で、複数ステップの自動化が進む可能性があります。

用語解説

複数ステップ自動化:一つの回答ではなく、調査、判断、作成、確認、送信などの連続作業をAIが支援すること。

ツール利用:AIが検索、計算、メール、カレンダー、データベース、業務システムを呼び出して作業すること。

結果確認:AIが実行結果を検証し、必要に応じて修正・再実行すること。

第三のブレイクスルーは、企業データとAIの統合です。汎用AIは便利ですが、企業価値を生むのは、自社の顧客、契約、製品、在庫、工程、財務、ノウハウと結びついたときです。RAG、権限連携、データカタログ、ログ管理、評価指標を整えることで、AIは企業固有の知識を活用できるようになります。

用語解説

データカタログ:社内にどのようなデータがあり、誰が管理し、どのように使えるかを整理する仕組み。

評価指標:AIの正確性、回答品質、コスト、処理速度、業務効果を測るための指標。

企業固有の知識:社内ルール、過去案件、顧客情報、製品仕様、営業ノウハウなど、外部AIだけでは知らない情報。

第四のブレイクスルーは、AI for Scienceです。AIは、文章や画像を生成するだけではなく、創薬、材料探索、半導体設計、気候予測、核融合、ロボティクスにも使われます。特に、生命科学や材料科学では、AIが仮説生成、構造予測、シミュレーション、実験計画を支援し、研究開発の速度を変える可能性があります。

用語解説

AI for Science:AIを使って、生命科学、材料、物理、化学、気候などの科学研究を加速する領域。

仮説生成:データや論文から、新しい研究仮説や実験候補を作ること。

実験計画:どの条件で実験すべきかを設計すること。AIにより実験回数を減らせる可能性がある。

4. ブレイクスルーを担うプレイヤーとアプリケーション

AI市場を牽引するプレイヤーは、レイヤーごとに異なります。基盤モデルではOpenAI、Anthropic、Google DeepMind、Meta、Mistral、xAIが重要です。クラウドではMicrosoft、AWS、Google Cloud、Oracle、CoreWeaveが存在感を持ちます。半導体ではNVIDIA、AMD、Broadcom、TSMC、SK hynixが重要であり、アプリケーションではMicrosoft Copilot、ChatGPT、Gemini、Claude、GitHub Copilot、各種業務AIが市場を広げています。

用語解説

基盤モデル:多様な用途に使える大規模AIモデル。個別アプリの土台になる。

AIクラウド:GPUやAI開発環境をクラウド経由で提供するサービス。

業務AI:営業、経理、法務、人事、開発、製造、問い合わせ対応など、特定業務に組み込まれるAI。

アプリケーションで見ると、短期的に最も導入が進むのは、文書作成、検索、要約、翻訳、議事録、コード生成、カスタマーサポート、営業支援、社内ナレッジ検索です。中期的には、AIエージェント、AIによる業務ワークフロー自動化、AIロボティクス、AI創薬、AI設計、AIセキュリティ、AIデータセンター運用が成長テーマになります。

用語解説

社内ナレッジ検索:社内文書、議事録、契約、マニュアル、FAQから必要情報をAIで検索・要約する仕組み。

コード生成:AIがプログラムコード、テスト、修正案、ドキュメントを生成すること。

AIデータセンター運用:AIの学習・推論に必要なGPU、電力、冷却、ネットワークを最適化して運用すること。

原田浩志としての市場観:AIは「意思決定のインフラ」である

私がAI市場を見るうえで最も重要だと考えているのは、AIが「意思決定のインフラ」になりつつあるという点です。これまで企業は、ERP、CRM、会計システム、BIツールを使って業務を管理してきました。AIは、これらのシステム上のデータを読み、解釈し、提案し、実行するレイヤーになります。つまりAIは、既存システムの上に乗る新しい知能層です。

用語解説

意思決定のインフラ:人や組織が判断するために、情報収集、分析、選択肢提示、実行支援を行う基盤。

ERP:Enterprise Resource Planningの略。会計、在庫、販売、購買、生産などを管理する基幹システム。

CRM:Customer Relationship Managementの略。顧客情報、営業活動、問い合わせを管理するシステム。

知能層:既存システムやデータの上に重なり、理解・判断・提案・実行を担うAIのレイヤー。

一方で、AI市場には大きなリスクもあります。GPU投資の過熱、電力制約、モデルコスト、データ不足、ハルシネーション、著作権、個人情報、規制、セキュリティ、過度な期待です。McKinseyの2025年調査では、約9割の回答者が組織でAIを定常的に利用している一方、進展にはばらつきがあるとされています。導入することと、利益を出すことは別問題です。

用語解説

GPU投資の過熱:AI需要を見込んで、GPUやデータセンターへ過剰投資が起きるリスク。

モデルコスト:AIモデルの学習・推論・運用・API利用にかかる費用。

過度な期待:AIの効果や実用化時期を実態以上に大きく・早く見積もること。

AIは、ソフトウェア機能ではなく、企業の判断・実行・学習を支える「意思決定インフラ」である。

今後の勝ち筋は、単に最新モデルを使うことではありません。自社データ、業務プロセス、権限管理、セキュリティ、評価指標、人材教育、ガバナンスを一体で設計できるかどうかです。AIの勝者は、最も多くのAIツールを導入した企業ではなく、AIを使って業務の流れそのものを再設計し、継続的に改善できる企業になると考えています。

用語解説

業務再設計:既存業務にAIを部分的に足すのではなく、AIを前提に仕事の流れ、役割、承認、品質管理を作り直すこと。

評価指標:AI導入によって、時間、コスト、品質、売上、リスクがどれだけ改善したかを測る基準。

継続的改善:AIの利用ログ、失敗事例、効果測定をもとに、モデル、データ、業務フローを改善し続けること。

AIは、半導体、電力、ロボティクス、バイオテック、サイバーセキュリティ、宇宙開発と密接に結びついています。AIにはGPUと電力が必要であり、ロボットには物理AIが必要であり、創薬にはAI for Scienceが必要であり、サイバーにはAI防御が必要です。だからこそ、AIは単独のソフトウェア市場ではなく、すべてのディープテック市場を横断する「知能の基盤」として捉えるべきです。

用語解説

物理AI:ロボットや機械が現実世界を認識し、判断し、行動するためのAI。

AI防御:サイバー攻撃検知、異常分析、自動対応などにAIを使うセキュリティ領域。

知能の基盤:AIが、複数産業の判断、設計、操作、研究、運用を支える共通基盤になるという考え方。

AIエージェントの開発・活用を実務レベルで身につけたい方向けには、環境構築不要で非エンジニアでも実践できるオンライン講座もあります。

AI Agent Campの詳細を見る

参考資料

  1. Grand View Research, “Artificial Intelligence Market Size & Share Report, 2026-2033.” https://www.grandviewresearch.com/industry-analysis/artificial-intelligence-ai-market
  2. Grand View Research / PR Newswire, “Artificial Intelligence Market to Reach $1,811.75 Billion by 2030.” https://www.prnewswire.com/news-releases/artificial-intelligence-market-to-grow-at-36-6-cagr-to-garner-1-811-75-billion-by-2030---grand-view-research-inc-302393076.html
  3. Grand View Research, “Enterprise Artificial Intelligence Market Size Report, 2030.” https://www.grandviewresearch.com/industry-analysis/enterprise-artificial-intelligence-market-report
  4. IDC, “Worldwide Spending on Artificial Intelligence Forecast to Reach $632 Billion in 2028.” https://www.businesswire.com/news/home/20240819177906/en/Worldwide-Spending-on-Artificial-Intelligence-Forecast-to-Reach-%24632-Billion-in-2028-According-to-a-New-IDC-Spending-Guide
  5. McKinsey, “The State of AI: Global Survey 2025.” https://www.mckinsey.com/capabilities/quantumblack/our-insights/the-state-of-ai
  6. Stanford HAI, “The 2025 AI Index Report.” https://hai.stanford.edu/ai-index/2025-ai-index-report
  7. Stanford HAI, “Economy | The 2025 AI Index Report.” https://hai.stanford.edu/ai-index/2025-ai-index-report/economy
  8. NIST, “Artificial Intelligence Risk Management Framework.” https://www.nist.gov/itl/ai-risk-management-framework
  9. European Commission, “AI Act.” https://digital-strategy.ec.europa.eu/en/policies/regulatory-framework-ai
  10. Zheng et al., “Large Language Models in Drug Discovery and Development.” https://arxiv.org/abs/2409.04481
deep techanalysisai chip
DEEPPOINT編集部
編集部
DEEPPOINT編集部

DEEPPOINT編集部が制作した記事です。ディープテック各分野の市場解説から、暗号資産・証券・DATなど投資関連サービスの比較・解説まで、編集部の調査に基づいてお届けします。