KPMGで監査、IPO、M&A、財務戦略に関わってきた立場から見ると、Web3は「暗号資産の価格変動」だけで評価すべき市場ではありません。むしろ本質は、インターネット上で価値、権利、データ、信用を直接移転・検証できる新しいデジタルインフラにあります。
Web3:ブロックチェーンを基盤として、デジタル資産、権利、データ、ID、決済をユーザー主導で扱うインターネットの新しい構想。
暗号資産:ブロックチェーン上で発行・移転されるデジタル資産。Bitcoin、Ethereum、ステーブルコインなどが代表例。
デジタルインフラ:社会や産業のデジタル活動を支える基盤。通信、クラウド、決済、ID、データ基盤などを含む。
Web3は、2017年前後のICO、2020年前後のDeFi、2021年前後のNFTブームを経て、現在はより実用的な領域へ移行しています。特に、ステーブルコイン、RWAトークン化、企業向けウォレット、オンチェーン決済、デジタルID、ゲーム、AIエージェント連携が、次の成長領域になっています。
ICO:Initial Coin Offeringの略。プロジェクトが独自トークンを発行して資金調達する手法。
DeFi:Decentralized Financeの略。銀行や証券会社のような仲介者を介さず、ブロックチェーン上で金融機能を提供する仕組み。
NFT:Non-Fungible Tokenの略。唯一性を持つデジタル資産を表すトークン。
RWA:Real World Assetsの略。不動産、債券、ファンド、売掛金など現実世界の資産をトークン化したもの。
参照図表1:世界Web3市場規模の推移
Web3市場は、調査会社によって定義が大きく異なります。暗号資産の時価総額を含めるのか、ブロックチェーン基盤の売上だけを見るのか、Web3アプリケーション市場として見るのかで数値は変わります。ここでは、Web3市場を「ブロックチェーンを基盤とするアプリケーション・インフラ市場」として捉え、2025年から2031年にかけて高成長が見込まれる市場として整理します。
市場規模:特定市場で一定期間に生み出される売上や取引価値の大きさ。Web3では定義により数値が大きく変わる。
アプリケーション市場:基盤技術そのものではなく、ユーザーや企業が利用するサービス・プロダクトの市場。
インフラ市場:ブロックチェーン、ウォレット、ノード、オラクル、決済、開発基盤など、アプリケーションを支える市場。
単位:十億米ドル。市場定義により差があるため、Web3アプリケーション・インフラ市場の概算として表示。
ただし、Web3市場を考える際に最も重要なのは、単純な市場規模だけではありません。暗号資産価格は市況によって大きく変動しますが、ステーブルコイン送金、トークン化資産、オンチェーン金融、ウォレット、デジタルID、企業向けブロックチェーン基盤の利用は、価格サイクルとは別に構造的に拡大しています。
ステーブルコイン:米ドルなどの法定通貨に価値を連動させる暗号資産。USDT、USDCなどが代表例。
トークン化資産:債券、ファンド、不動産、売掛金などの資産をブロックチェーン上のトークンとして表現したもの。
オンチェーン:取引やデータがブロックチェーン上に記録されること。
デジタルID:個人や企業の本人性、資格、権限をデジタル上で証明する仕組み。
1. Web3とは何か
Web3とは、インターネット上で価値や権利を直接移転できる仕組みです。従来のWeb2では、ユーザーのID、データ、決済、コンテンツ、取引履歴は、プラットフォーム企業が管理していました。Web3では、ブロックチェーン、ウォレット、スマートコントラクト、トークンを使うことで、ユーザー自身がデジタル資産や権利を保有・移転・検証できるようになります。
Web2:SNS、EC、検索、クラウドなど、プラットフォーム企業がデータやアカウントを管理する現在主流のインターネット。
ブロックチェーン:取引データを複数の参加者で共有・検証する分散型台帳技術。
ウォレット:暗号資産やトークンを保有・送受信するためのデジタル口座・鍵管理ツール。
スマートコントラクト:ブロックチェーン上で自動実行されるプログラム。契約や決済、権利移転を自動化できる。
トークン:ブロックチェーン上で発行されるデジタルな価値・権利の単位。
Web3の本質は、「情報のインターネット」から「価値のインターネット」への移行です。メールが情報を瞬時に送れるようにしたように、ブロックチェーンは価値や権利をインターネット上で移転できるようにします。これにより、決済、証券、ゲーム、コンテンツ、会員証、ID、データ流通、AIエージェントの経済活動まで、幅広い領域が変わる可能性があります。
価値のインターネット:情報だけでなく、お金、権利、資産、信用をインターネット上で直接移転できるという考え方。
会員証NFT:会員権や参加資格をNFTとして発行し、保有者に特典やアクセス権を与える仕組み。
AIエージェント:人間の代わりに情報収集、判断、取引、実行を行うAIプログラム。
参照図表2:Web3バリューチェーン図
Web3産業を理解するには、暗号資産取引所やNFTマーケットプレイスだけを見るのでは不十分です。Web3は、ブロックチェーン基盤、ノード、ウォレット、スマートコントラクト、オラクル、決済、アプリケーション、規制・監査・カストディまで含む広いバリューチェーンで構成されています。
図表2:Web3バリューチェーン図
Web3は、プロトコル、開発基盤、ウォレット、金融・決済、アプリケーション、規制対応が連結する産業構造を持つ。
| 領域 | 主な役割 | 代表的プレイヤー・技術 |
|---|---|---|
| 基盤チェーン | 取引記録、価値移転、スマートコントラクト実行の土台 | Bitcoin、Ethereum、Solana、Polygon、Arbitrum、Optimism |
| ノード・検証 | ネットワークの維持、取引検証、データ提供 | バリデータ、RPC事業者、ノードホスティング、ステーキング事業者 |
| ウォレット・ID | ユーザーの資産管理、署名、本人確認、権限管理 | MetaMask、Ledger、Safe、Account Abstraction、DID |
| オラクル・相互運用 | 外部データ取得、価格情報、クロスチェーン接続 | Chainlink、Pyth、LayerZero、Wormhole、CCIP |
| 金融・決済 | 貸借、交換、送金、証券化、資産管理 | Uniswap、Aave、Circle、Tether、BlackRock BUIDL、Ondo |
| アプリケーション | ゲーム、コンテンツ、会員証、AI、企業向け業務利用 | Web3ゲーム、NFT、オンチェーンSNS、企業ウォレット、AIエージェント |
| 区分 | 領域 | 主な構成要素 |
|---|---|---|
| Layer 01 | 基盤チェーン | Ethereum、Bitcoin、Solana、L2、アプリチェーン等 |
| Layer 02 | ノード・検証・開発基盤 | RPC、バリデータ、SDK、インデックス、監視 |
| Layer 03 | ウォレット・ID | 自己管理ウォレット、AA、DID、KYC連携 |
| Layer 04 | オラクル・相互運用 | 価格情報、外部データ、クロスチェーン接続 |
| Layer 05 | 金融・決済 | DeFi、ステーブルコイン、RWA、カストディ |
| Layer 06 | アプリケーション | ゲーム、SNS、AI、企業利用、コンテンツ、データ流通 |
ノード:ブロックチェーンネットワークに参加し、取引やブロックを検証・保存するコンピュータ。
バリデータ:PoS型ブロックチェーンで取引を検証し、ブロック生成に参加する主体。
RPC:ブロックチェーンにアクセスするための通信窓口。アプリケーションとチェーンをつなぐ。
オラクル:ブロックチェーン外の価格、天候、金利、証券情報などをスマートコントラクトに提供する仕組み。
カストディ:暗号資産や秘密鍵を機関投資家・企業向けに安全に保管・管理するサービス。
2. Web3分野における技術課題とは
Web3の第一の課題は、スケーラビリティです。ブロックチェーンは分散性と改ざん耐性を重視するため、従来の中央集権型システムに比べて処理速度やコスト面で制約があります。Ethereumでは、Layer 2やロールアップを使って処理を外部に分散し、メインチェーンの安全性を利用しながら処理能力を高める方向に進んでいます。
スケーラビリティ:利用者や取引量が増えても、処理速度やコストを維持・改善できる能力。
Layer 2:Ethereumなどの基盤チェーンの上に構築される拡張ネットワーク。取引をまとめて処理し、コストを下げる。
ロールアップ:複数の取引をまとめて処理し、結果だけを基盤チェーンに記録するスケーリング技術。
メインチェーン:Ethereumなど、最終的な安全性と決済を担う基盤ブロックチェーン。
第二の課題は、ユーザー体験です。現在のWeb3では、秘密鍵、ガス代、署名、ネットワーク選択、ブリッジ、トークン規格など、一般ユーザーには難しい操作が多く残っています。Web3が本格的に普及するには、ユーザーがブロックチェーンを意識しなくても使えるウォレット、アカウント抽象化、法定通貨決済との統合が不可欠です。
秘密鍵:ウォレットの資産を動かすための暗号上の鍵。紛失や漏えいは資産喪失につながる。
ガス代:ブロックチェーン上で取引やスマートコントラクトを実行するための手数料。
ブリッジ:異なるブロックチェーン間で資産やデータを移転する仕組み。
アカウント抽象化:ウォレットをより柔軟にし、パスキー、復旧機能、手数料代替払いなどを可能にする設計。
第三の課題は、セキュリティと規制対応です。スマートコントラクトの脆弱性、ブリッジ攻撃、秘密鍵流出、マネーロンダリング、証券規制、ステーブルコイン規制、カストディ規制など、Web3は技術リスクと法規制リスクが同時に存在する市場です。特に金融・証券・決済に関わる領域では、コンプライアンスを組み込んだ設計が必須になります。
脆弱性:システムやプログラムに存在する欠陥。攻撃者に悪用される可能性がある。
マネーロンダリング:犯罪収益などの資金源を隠し、正当な資金に見せかける行為。
証券規制:投資商品や金融商品の発行・販売に関する規制。トークン化資産にも関係する。
コンプライアンス:法令、規制、社内ルールを遵守すること。
第四の課題は、データと現実資産の接続です。ブロックチェーンはオンチェーンの情報には強い一方で、現実世界の資産、本人確認、法的権利、価格情報、配送状況などをそのまま検証することはできません。そのため、オラクル、KYC、カストディ、監査、法的契約、データプロバイダーとの接続が重要になります。
現実資産:不動産、債券、株式、ファンド、売掛金、商品在庫など、ブロックチェーン外に存在する資産。
KYC:Know Your Customerの略。本人確認や顧客確認の手続き。
法的権利:所有権、債権、受益権、会員権など、法律上認められる権利。
データプロバイダー:市場価格、信用情報、本人確認情報など、外部データを提供する事業者。
参照図表3:技術ブレイクスルー整理図
Web3のブレイクスルーは、単に「新しいトークンが生まれること」ではありません。スケーリング、ウォレットUX、ゼロ知識証明、相互運用性、ステーブルコイン、RWA、AIエージェント、分散IDが組み合わさることで、初めて一般ユーザーや企業が使えるインフラになります。
図表3:Web3技術ブレイクスルー整理表
課題、解決技術、主要プレイヤー、主なアプリケーションを対応させて整理。
| 技術領域 | 解決する課題 | 主要プレイヤー・技術 | 主なアプリケーション |
|---|---|---|---|
| Layer 2 / Rollup | 取引処理能力、手数料、スケーラビリティ | Arbitrum、Optimism、Base、zkSync、Starknet | DeFi、ゲーム、決済、企業アプリ |
| ゼロ知識証明 | プライバシー、検証コスト、本人確認、計算証明 | Polygon zkEVM、StarkWare、zkSync、Aztec | KYC、投票、金融取引、プライバシー保護 |
| アカウント抽象化 | 秘密鍵管理、ガス代、一般ユーザーUX | ERC-4337、Safe、Passkey Wallet、AA Wallet | 企業ウォレット、ゲーム、会員証、決済 |
| 相互運用性 | チェーン分断、流動性分散、データ連携 | Chainlink CCIP、LayerZero、Wormhole、Axelar | クロスチェーン決済、RWA、マルチチェーンDeFi |
| ステーブルコイン | 価格変動、国際送金、オンチェーン決済 | Tether、Circle、PayPal、銀行系ステーブルコイン | 送金、決済、DeFi、トークン化資産の決済通貨 |
| RWAトークン化 | 資産流動性、決済期間、所有権分割、担保利用 | BlackRock、Franklin Templeton、Ondo、JPMorgan Kinexys | 債券、ファンド、不動産、売掛金、担保管理 |
| Web3 × AIエージェント | AIによる自律的な決済・契約・データ利用 | AI Agent Wallet、オンチェーン権限管理、スマートコントラクト | 自律決済、データ取引、AI業務代行、分散型AI市場 |
ゼロ知識証明:内容そのものを明かさずに、ある事実が正しいことだけを証明する暗号技術。
相互運用性:異なるブロックチェーンやシステムが互いに接続し、資産やデータをやり取りできる性質。
流動性:資産を大きな価格変動なく売買・交換できる度合い。
自律決済:AIやプログラムが、人間の都度承認なしにルールに従って決済を実行する仕組み。
3. Web3における技術的解決、すなわちブレイクスルーとは
第一のブレイクスルーは、Layer 2とロールアップです。Ethereumは、メインチェーンで全ての取引を処理するのではなく、Layer 2で処理をまとめ、結果をメインチェーンに記録する方向へ進んでいます。これにより、安全性を維持しながら、処理能力の向上と手数料低下を目指します。
処理能力:一定時間に処理できる取引件数や計算量。
手数料低下:ブロックチェーン利用時の取引コストを下げること。一般利用には不可欠。
最終決済性:取引が確定し、原則として取り消せなくなる性質。
第二のブレイクスルーは、ゼロ知識証明です。ゼロ知識証明を使うと、個人情報や取引内容をすべて公開しなくても、必要な条件を満たしていることだけを証明できます。これは、金融、本人確認、投票、企業間取引、AIデータ利用において非常に重要です。プライバシーと検証可能性を両立する技術として、Web3の社会実装を進める鍵になります。
検証可能性:第三者が、データや処理結果が正しいことを確認できる性質。
プライバシー:個人情報や取引内容を必要以上に公開しないこと。
社会実装:研究開発段階の技術を、実際の社会・企業・行政サービスで使える形にすること。
第三のブレイクスルーは、アカウント抽象化と企業向けウォレットです。これまでのWeb3では、秘密鍵を失うと資産を失う、ガス代を事前に用意しなければならない、署名操作が分かりにくいという課題がありました。アカウント抽象化により、パスキー、複数承認、権限管理、復旧機能、ガス代代替払いが可能になり、企業や一般ユーザーが使えるUXに近づきます。
パスキー:パスワードに代わる認証方式。スマートフォンやPCの生体認証等と連携できる。
複数承認:複数人の承認が揃った場合にのみ資産移転などを実行する仕組み。
権限管理:誰が何を実行できるかを制御する仕組み。企業利用では特に重要。
第四のブレイクスルーは、ステーブルコインとRWAです。ステーブルコインは、ブロックチェーン上で使えるデジタルドルとして、国際送金、DeFi、取引所、企業決済で利用が広がっています。RWAトークン化は、債券、ファンド、不動産、売掛金などをオンチェーン化し、24時間決済、分割所有、担保利用、透明性向上を実現する可能性があります。
デジタルドル:米ドルに連動し、ブロックチェーン上で移転できるデジタル通貨。主に米ドル連動型ステーブルコインを指す。
24時間決済:銀行営業時間に依存せず、常時資産移転や決済ができる仕組み。
分割所有:高額資産を小口化し、多数の投資家が一部ずつ保有できるようにすること。
担保利用:保有資産を借入や取引の保証として使うこと。
4. Web3のブレイクスルーを担うプレイヤーとアプリケーション
Web3の主要プレイヤーは、従来のテック企業や金融機関だけではありません。基盤チェーンではEthereum、Bitcoin、Solana、Layer 2各社が重要です。ウォレットではMetaMask、Ledger、Safeなどが存在感を持ちます。ステーブルコインではTether、Circle、PayPal、銀行系プロジェクトが重要です。RWAではBlackRock、Franklin Templeton、Ondo、JPMorgan Kinexysなど、伝統金融側の参入が進んでいます。
基盤チェーン:Web3アプリケーションの土台となるブロックチェーン。Ethereum、Bitcoin、Solanaなど。
伝統金融:銀行、証券会社、資産運用会社、決済会社など、既存の金融機関・金融市場。
Kinexys:JPMorganのブロックチェーン・デジタル資産関連プラットフォームブランド。
アプリケーションで見ると、最も現実的な成長領域は、ステーブルコイン決済、RWAトークン化、企業ウォレット、オンチェーン会員証、ゲーム、デジタルID、AIエージェント決済です。特に、法人利用では「投機」ではなく、決済コスト削減、資産管理効率化、本人確認、監査可能性、プログラム可能な契約実行が評価されます。
オンチェーン会員証:ブロックチェーン上で発行・管理される会員証。保有確認や特典付与を自動化できる。
監査可能性:取引や権限変更の履歴を確認し、事後的に検証できる性質。
プログラム可能な契約:条件を満たすと自動で決済・権利移転・通知などが実行される契約。
原田浩志としての市場観:Web3は「信用の再設計」である
私がWeb3市場を見るうえで最も重要だと考えているのは、Web3が単なる暗号資産市場ではなく、「信用の再設計」であるという点です。従来の社会では、銀行、証券会社、プラットフォーム企業、行政機関、決済事業者が信用を担保してきました。Web3では、その一部をコード、暗号技術、ブロックチェーン、ウォレット、スマートコントラクトが担うようになります。
信用の再設計:取引相手や中央機関だけに依存せず、技術・ルール・透明性によって信用を構築し直す考え方。
暗号技術:データの秘匿、署名、検証、本人性確認などを数学的に実現する技術。
コード:スマートコントラクトなど、ルールを自動実行するプログラム。
一方で、Web3には大きなリスクもあります。価格変動、規制不確実性、ハッキング、詐欺、マネーロンダリング、秘密鍵管理、ユーザー体験の難しさ、流動性不足、現実資産との法的接続などです。したがって、Web3を「既存金融をすべて置き換える技術」と見るのは危険です。むしろ、既存金融・企業システム・行政インフラと接続しながら、特定領域から置き換えと補完が進む市場と見るべきです。
規制不確実性:法律や監督当局の解釈が明確でなく、事業モデルの継続性に影響を与える状態。
流動性不足:売買したいときに十分な買い手・売り手が存在せず、価格が大きく動きやすい状態。
補完:既存システムを完全に置き換えるのではなく、弱点を補い、機能を高めること。
Web3は、投機市場ではなく、価値・権利・データ・信用をインターネット上で再設計するためのディープテックである。
今後の勝ち筋は、単にトークンを発行することではありません。規制対応、UX、セキュリティ、法的権利、決済、データ連携を一体で設計し、現実の事業課題を解決できるかどうかです。Web3の勝者は、暗号資産価格の上昇を待つ企業ではなく、ブロックチェーンを見えないインフラとして組み込み、ユーザーに明確な利便性を提供できる企業になると考えています。
規制対応:資金決済法、金融商品取引法、AML/CFT、個人情報保護などに合わせて事業を設計すること。
UX:User Experienceの略。ユーザーがサービスを使う際の分かりやすさ、快適さ、安心感。
見えないインフラ:ユーザーが技術を意識しなくても、裏側で価値移転や権利管理を支える基盤。
Web3は、AIや半導体と同じく、単独で完結する市場ではありません。AIエージェントが自律的に支払い、データ利用権を購入し、GPU計算資源を利用し、コンテンツや成果物の権利を管理する時代には、Web3は「機械同士の経済活動」を支える基盤にもなります。だからこそ、Web3は金融、AI、データ、コンテンツ、ID、クラウドを横断する重要なディープテック市場として捉えるべきです。
機械同士の経済活動:AIやIoT機器が、人間の都度操作なしに、契約・支払い・データ利用・計算資源利用を行うこと。
データ利用権:データを閲覧、分析、学習、商用利用するための権利。
計算資源:AIやシミュレーションを実行するためのGPU、CPU、ストレージ、ネットワークなど。
参考資料
- Mordor Intelligence, “Web3 Market Size, Share, Growth and Industry Research Report.” https://www.mordorintelligence.com/ja/industry-reports/web3-market
- The Business Research Company, “Web3 Market Report 2026.” https://www.thebusinessresearchcompany.com/report/web3-market-report
- Market.us, “Web3 Blockchain Market Size, Share | CAGR of 48.2%.” https://market.us/report/web3-blockchain-market/
- Ethereum.org, “Scaling Ethereum.” https://ethereum.org/roadmap/scaling
- Ethereum.org, “Danksharding.” https://ethereum.org/roadmap/danksharding
- Ethereum.org, “Zero-knowledge rollups.” https://ethereum.org/developers/docs/scaling/zk-rollups/
- Chainlink, “Cross-Chain Interoperability Protocol.” https://chain.link/cross-chain
- Swift, “Connecting blockchains: Overcoming fragmentation in tokenised assets.” https://www.swift.com/sites/default/files/files/results_report_swift_interoperability_experiments_final_310823.pdf
- McKinsey, “Blockchain & Digital Assets.” https://www.mckinsey.com/industries/financial-services/our-insights/blockchain-and-digital-assets
- McKinsey, “From ripples to waves: The transformational power of tokenizing assets.” https://www.mckinsey.com/industries/financial-services/our-insights/from-ripples-to-waves-the-transformational-power-of-tokenizing-assets
- Chainalysis, “The Chainalysis 2025 Global Adoption Index.” https://www.chainalysis.com/blog/2025-global-crypto-adoption-index/
- a16z crypto, “State of Crypto 2025.” https://a16zcrypto.com/posts/article/state-of-crypto-report-2025/

