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「第2のスペースX」はどこ?日本の宇宙ベンチャー株4社を徹底解説

「第2のスペースX」はどこ?日本の宇宙ベンチャー株4社を徹底解説

日本の宇宙ベンチャー株(ispace・QPSホールディングス・アストロスケール・Synspective)を2026年7月7日時点の決算・株価で比較。「第2のスペースX」の探し方、NISA活用、赤字先行のリスクまで解説します。

DEEPPOINT編集部DEEPPOINT編集部
公開 2026.07.07更新 -

※本記事にはプロモーションが含まれます。

日本には月面輸送・SAR衛星・デブリ除去という異なる領域で世界水準に挑む上場宇宙ベンチャーが4社あります(2026年7月時点)。ただし「第2のスペースX」という期待をそのまま当てはめるには、事業規模も収益構造も大きな差があるのが現実です。本記事では次の3点を整理します。

  • 上場宇宙ベンチャー4社(ispace・QPSホールディングス・アストロスケールHD・Synspective)の比較表と各社の現在地
  • スペースXと日本勢の規模差の現実と、「第2のスペースX」の探し方の視点
  • NISA活用という日本株ならではの利点と、赤字先行・打上げ失敗のリスク

本記事は2026年7月7日時点の情報に基づきます。 株価・業績は変動するため、投資判断の前に必ず各社の適時開示・決算資料をご確認ください。

「第2のスペースX」は日本にある?結論と探し方の視点

結論から言えば、現時点の日本に「スペースXの縮小版」と呼べる企業は存在しません。スペースXは打上げ(Falconの再使用ロケット)と通信サービス(Starlink・契約者1,000万件超)の両輪で年間約190億ドルを売り上げる垂直統合企業ですが、日本の上場宇宙ベンチャーは各領域に特化した実証段階の企業だからです(2026年7月時点)。

ただし、これは悲観材料ではありません。スペースX自身も20年前は「実証前の赤字ベンチャー」でした。探すべきは「今のスペースXに似た会社」ではなく、**「特定領域で世界の先頭集団にいて、実証を積み重ねている会社」**です。その視点で見ると、日本の4社はそれぞれ異なる領域で独自のポジションを持っています。

  • 月面輸送のispace
  • 小型SAR衛星のQPSホールディングスとSynspective
  • デブリ除去・軌道上サービスのアストロスケールHD

以下、決算数値と時点を明示しながら4社を比較します。

日本の宇宙ベンチャー上場企業一覧【比較表】

社名(コード)上場事業領域直近の業績・状況(2026年7月7日時点)
ispace(9348)2023年4月・東証グロース月面輸送・月資源開発株価441円(7月7日)。2026年3月期売上33.07億円(前期比-30.3%)・最終赤字。継続企業の前提に関する重要な疑義を注記
QPSホールディングス(464A)2023年12月(旧5595)→2025年12月に持株会社化小型SAR衛星(目標36機)2026年5月期予想売上40億円(+49.2%)。第1四半期は営業損失4.1億円(衛星償却費の増加)
アストロスケールHD(186A)2024年6月・東証グロースデブリ除去・軌道上サービス株価1,176円・時価総額約2,625億円(6月30日)。2026年4月期売上収益59.4億円(+141.8%)・受注残高411.48億円・最終赤字
Synspective(290A)2024年12月・東証グロース小型SAR衛星(StriX)・データ解析2025年10月に7機目を打上げ。打上げはRocket Labに委託

4社に共通するのは、売上が伸び始めた段階でいずれも最終赤字という点です。このステージの銘柄は、黒字かどうかより、実証が計画どおり進んでいるかどうかに注目するのが妥当な見方です。

主要な宇宙ベンチャー各社の事業と特徴(銘柄別に解説)

ispace(9348)|月面輸送|2度の失敗と2027年の再挑戦

民間による月面輸送・月資源開発を目指す企業です。ミッション1(2023年4月)に続き、ミッション2「レジリエンス」も2025年6月6日の月面着陸に失敗しました(測距開始高度が想定より低く、減速が間に合わずハードランディングした可能性が高いと会社が分析)。2026年3月期は売上33.07億円・最終赤字で、決算には継続企業の前提に関する重要な疑義が注記されています。

次の焦点は2027年予定のミッション3で、NASAの商業月面輸送サービス(CLPS)計画に関連する輸送の成否が、事業実証の分水嶺になります。成功すれば受注拡大フェーズへの道が開け、失敗すれば資金調達環境がさらに厳しくなります。イベントドリブンな値動きが最も激しいタイプの銘柄です(2026年7月時点)。

QPSホールディングス(464A)|小型SAR衛星|36機体制への積み上げ型

小型SAR衛星(雲や夜間でも地表を観測できるレーダー衛星)のコンステレーション構築を進める企業です。旧QPS研究所(5595)は2025年12月1日の持株会社化でQPSホールディングス(464A)へ移行しており、現在取引できるのは464Aです。

事業モデルは「衛星を増やすほど観測頻度が上がり、データ販売収益が積み上がる」という段階的な成長型で、目標は36機体制。2026年5月期は売上40億円予想(+49.2%)と伸びる一方、第1四半期は衛星の減価償却費が先行して営業損失4.1億円です。ispaceのような一発勝負型とは異なり、打上げと受注の積み上げを四半期ごとに確認していく銘柄です。

アストロスケールHD(186A)|デブリ除去|受注残411億円の先行者

スペースデブリ(宇宙ゴミ)除去・衛星寿命延長など「軌道上サービス」の世界的先行企業です。JAXAから受託したデブリ接近実証ADRAS-Jはフェーズ1を完全成功させ、2026年3月に運用を完了しました。2026年4月期は売上収益59.4億円(前期比+141.8%)、受注残高411.48億円と、4社の中で最も商業化が進んでいます(最終赤字は継続)。

2027年以降はELSA-M・ADRAS-J2などの実証機を順次打ち上げる計画で、防衛関連の宇宙状況把握(SSA)案件も成長ドライバーです。デブリ除去は各国の規制強化が市場を作る「ルール駆動型」の事業であり、規制動向がそのまま業績材料になります。

Synspective(290A)|小型SAR衛星|解析ソリューション重視型

QPSと同じSAR衛星分野ですが、衛星データの解析ソリューション販売に軸足を置くのが特徴です。自社衛星StriXは大型SAR衛星に比べ重量約1/10・コスト約1/20で、2025年10月に7機目を打ち上げました。打上げは米Rocket Labに委託しており、日本のベンチャーが米国の宇宙企業のサービスを使うという国際分業の実例でもあります。

大手重工・通信の宇宙事業|ベンチャーとの違い

「宇宙関連株」として大手が挙がることも多いですが、ベンチャーとは別物として扱うべきです。

企業宇宙事業ベンチャーとの違い
三菱重工(7011)H3ロケットの製造・打上げ防衛・エネルギーが主力。宇宙は事業の一部
IHI(7013)ロケットエンジン部品・防衛宇宙同上
三菱電機(6503)政府・商業衛星の製造同上
スカパーJSAT(9412)衛星通信・放送の国内最大手黒字・配当あり(利回り2〜3%台・2026年時点の解説記事)

大手は財務が安定し配当も出る一方、宇宙事業が伸びても全社業績への寄与は限定的です(テーマ純度が低い)。「宇宙の成長を株価に直結させたいならベンチャー、安定重視なら大手」という別商品として選び分けてください。分類の全体像は宇宙関連銘柄の一覧・分類解説にまとめています。

スペースXと日本の宇宙企業は何が違うのか|事業規模・収益構造の現実

期待を煽る前に、数字の現実を並べます(2026年7月時点)。

比較軸スペースX日本の上場ベンチャー
売上規模約190億ドル≒約3.1兆円(2025年・1ドル162円換算)最大のアストロスケールHDで59.4億円(2026年4月期)。約500倍の差
収益構造打上げ+Starlink(契約者1,000万件超)の垂直統合。Starlink単体で営業黒字各領域の単機能特化。4社とも最終赤字
段階商業化済み・キャッシュ創出段階(全体はGAAP赤字)技術実証〜初期商業化
時価総額約2兆ドル規模(2026年7月・報道)数百億〜2,600億円規模

この差は「日本勢がダメ」という意味ではなく、投資対象としてまったく別のリスク・リターン特性を持つという意味です。スペースXの上場後の値動き(初値150ドル→高値225ドル→急落)はスペースX株の買い方と値動きの記録で詳しく追跡していますが、売上3兆円の企業ですらこの変動です。売上数十億円の実証段階企業の変動は、それ以上になり得ると考えておくべきです。

日本の宇宙株はNISAで買える|米国IPO株にない利点

日本の宇宙ベンチャー株には、米国株にない実務上の利点があります(2026年7月時点)。

  1. 既存の証券口座ですぐ買える:米国株のような外国株口座の開設・ドル転は不要です
  2. NISA成長投資枠の対象:グロース市場の銘柄も対象です(整理・監理銘柄等を除く)。値上がり益・配当が非課税になります
  3. 為替リスクがない:円建て資産のため、ドル円の変動を気にする必要がありません
  4. 情報が日本語:適時開示・決算説明資料・記者会見がすべて日本語で、一次情報に時差なくアクセスできます

ただし、値動きの激しいベンチャー株にNISA枠を使う場合、損失が出ても他の利益と損益通算できないというNISA特有の弱点が裏目に出ます。非課税メリットは「上がったとき」にしか効かないことを理解したうえで、枠の配分を判断してください。NISA成長投資枠の活用の考え方は、テーマは異なりますがビットコイン関連株(DAT株)とETF・現物の比較記事でも整理しています。

宇宙ベンチャー投資のリスク|赤字先行・打上げ失敗・希薄化

このテーマのリスクは抽象論ではなく、すでに実例があります。

  • 赤字先行と継続企業の前提:4社全てが最終赤字であり、ispaceには継続企業の前提に関する重要な疑義が注記されています(2026年3月期)。「技術が有望」と「会社の資金が持つ」は別問題です。決算短信の注記欄を必ず確認してください
  • 打上げ・ミッション失敗:ispaceは2023年・2025年と2度の着陸失敗を経験しました。実証段階の企業は単一イベントへの依存度が高く、失敗は株価急落に直結します
  • 増資による希薄化:赤字企業の資金調達は新株発行に頼りがちで、既存株主の持分価値が薄まります。「株価が動かないのに時価総額だけ増えている」場合は希薄化を疑ってください
  • テーマ株特有の連動:スペースXの上場(2026年6月)前後、日本の宇宙株もテーマ買いで動きました。自社の業績と無関係に米国発のニュースで急騰急落するのがテーマ株の宿命です

リスクを許容できる余剰資金の範囲で、1社集中ではなく複数社・複数回に分けた投資を検討し、最終判断はご自身で行ってください。

日本の宇宙株の買い方

  1. 証券口座を用意する:国内株なので既存の口座で購入できます。これから開設するなら、NISA対応と手数料で選べば十分です
  2. 銘柄コードで検索する:ispace=9348、QPSホールディングス=464A(旧5595ではない点に注意)、アストロスケールHD=186A、Synspective=290A
  3. 100株単位で注文する:たとえばispaceは441円×100株=約4.4万円、アストロスケールHDは1,176円×100株=約11.8万円が最低投資額の目安です(2026年7月7日・6月30日時点の株価)
  4. 決算・打上げ日程を確認する:実証イベントの前後は値動きが激しくなります。各社のIRカレンダーを確認してから注文タイミングを決めましょう

なお、スペースX(SPCX)やRocket Labなど米国の宇宙株にも投資したい場合は米国株口座が必要です。開設手順・証券会社比較は米国IPO・米国株に日本から投資する方法にまとめています。

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日本の宇宙ベンチャー株に関するよくある質問(FAQ)

Q1. 「第2のスペースX」に最も近い日本企業はどこですか?

事業構造の面で「スペースXの再現」を目指す上場企業は現時点で存在しません(2026年7月時点)。商業化の進捗ではアストロスケールHD(受注残411億円・2026年4月期)が先行し、月面輸送という夢の大きさではispace、積み上げ型の成長ではQPSホールディングスとSynspectiveが、それぞれ異なる意味で候補と言えます。本記事は特定銘柄を推奨せず、探し方の視点の提供に留めます。

Q2. ispace株は「やばい」と聞きましたが本当ですか?

2度の着陸失敗と、2026年3月期決算での継続企業の前提に関する重要な疑義の注記は事実です。一方で2027年のミッション3という明確な再挑戦計画もあります。「やばいかどうか」ではなく「失敗した場合に自分の資金が耐えられるか」で判断してください。

Q3. QPS研究所の株を探しても見つかりません。

2025年12月1日の持株会社化により、QPSホールディングス(464A)に移行しました。旧QPS研究所(5595)は2025年11月27日に上場廃止済みで、株式は1:1で新会社へ移行しています(2026年7月時点)。

Q4. 日本の宇宙株はNISAで買えますか?

買えます。4社とも国内上場株式のため成長投資枠の対象です(整理・監理銘柄等を除く。2026年7月時点)。ただし値動きが激しくNISAでは損益通算もできないため、枠の使い方は慎重に判断してください。

Q5. 宇宙ベンチャーはいくらから買えますか?

100株単位のため、株価×100が目安です。ispaceなら約4.4万円(441円・2026年7月7日)、アストロスケールHDなら約11.8万円(1,176円・6月30日)です。株価は変動するため注文前に最新値を確認してください。

Q6. 大手(三菱重工など)とベンチャー、どちらを買うべきですか?

目的によります。宇宙事業の成長を株価に直結させたいならテーマ純度の高いベンチャー、財務の安定と配当を重視するなら大手です。両者は「同じテーマの別商品」であり、比較の枠組みは宇宙関連銘柄の一覧・分類解説で詳しく説明しています。

Q7. 米国の宇宙株と日本の宇宙株、どちらが有利ですか?

一長一短です。米国株(SPCX・RKLB等)は市場規模と流動性で勝りますが、為替リスクと情報の時差があります。日本株は既存口座・NISA・日本語情報という実務面の利点がある一方、企業規模は小さく事業は実証段階です。併せ持つ場合は米国株口座の開設ガイドを参考にしてください。

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