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宇宙関連銘柄とは、ロケット打上げ・人工衛星・地上インフラ・防衛の4つの領域で宇宙ビジネスを手がける企業の株式です。2026年6月のスペースX(SPCX)上場を機に、日本株・米国株の両方で注目度が急上昇しています。本記事では次の3点を整理します。
- 宇宙関連銘柄の4分類と、日本株・米国株の一覧早見表(2026年7月7日時点)
- 「収益化ステージ・官需依存度・テーマ純度」で選ぶ実践的な視点
- 赤字先行・打上げ失敗などテーマ特有のリスクと買い方
本記事は2026年7月7日時点の情報に基づきます。 株価・業績は変動するため、投資判断の前に必ず各社の適時開示・決算資料をご確認ください。
宇宙関連銘柄とは?4つの分類を図解【打上げ・衛星・地上インフラ・防衛】
宇宙ビジネスは裾野が広く、「宇宙関連」とひとくくりにすると実態を見誤ります。バリューチェーン(価値の連鎖)に沿って、次の4分類で捉えるのが基本です。
| 分類 | 事業内容 | 主な銘柄例 |
|---|---|---|
| ① 打上げ・輸送 | ロケット開発・打上げサービス、月面輸送 | スペースX、Rocket Lab、三菱重工、ispace、Intuitive Machines |
| ② 衛星・軌道上サービス | 衛星の製造・運用、観測データ販売、デブリ除去 | QPSホールディングス、Synspective、アストロスケール、AST SpaceMobile、Planet Labs、三菱電機 |
| ③ 地上インフラ・通信 | 衛星通信サービス、地上局、通信キャリア連携 | スカパーJSAT、KDDI、ソフトバンク、NTT |
| ④ 防衛・官需 | 安全保障関連の宇宙システム、政府衛星 | 三菱重工、IHI、Lockheed Martin、Boeing |
イメージとしては、①が「宅配業者」、②が「上空に浮かぶ倉庫とカメラ」、③が「それを地上につなぐ電話線」、④が「国の仕事を請け負う公共工事」に相当します。同じ「宇宙関連」でも、収益の安定性もリスクもまったく異なることが分かるはずです。
宇宙関連銘柄の一覧早見表【日本株・米国株】(2026年7月7日更新)
日本株
| 銘柄(コード) | 市場 | 分類 | 特徴(2026年7月7日時点) |
|---|---|---|---|
| ispace(9348) | 東証グロース | 打上げ・月面輸送 | 民間月面探査。株価441円(7月7日)。2026年3月期は売上33億円・赤字継続で、継続企業の前提に関する重要な疑義が注記。次の焦点は2027年予定のミッション3 |
| QPSホールディングス(464A) | 東証グロース | 衛星(SAR観測) | 旧QPS研究所。2025年12月に持株会社化し証券コードが5595→464Aに変更。小型SAR衛星36機体制を目指す。2026年5月期は売上40億円予想(+49.2%)も赤字先行 |
| アストロスケールHD(186A) | 東証グロース | 軌道上サービス | スペースデブリ(宇宙ゴミ)除去の世界的先行企業。株価1,176円・時価総額約2,625億円(6月30日)。売上急拡大中だが最終赤字は継続 |
| Synspective(290A) | 東証グロース | 衛星(SAR観測) | 小型SAR衛星(大型比で重量約1/10・コスト約1/20)。2025年10月に7機目を打上げ。打上げはRocket Labに委託 |
| 三菱重工(7011) | 東証プライム | 打上げ・防衛 | H3ロケットの製造・打上げ。防衛・エネルギーが主力の総合重工 |
| IHI(7013) | 東証プライム | 打上げ・防衛 | ロケットエンジン部品・防衛宇宙システム |
| 三菱電機(6503) | 東証プライム | 衛星製造 | 政府・商業衛星の製造大手 |
| スカパーJSAT(9412) | 東証プライム | 通信・運用 | 国内最大の衛星通信・放送事業者。配当利回り2〜3%台(2026年時点の解説記事) |
| KDDI(9433) | 東証プライム | 地上インフラ | Starlinkの国内主要パートナー |
| ソフトバンク(9434) | 東証プライム | 地上インフラ | 「SoftBank Starlink Direct」を2026年4月に開始 |
米国株
| 銘柄(ティッカー) | 分類 | 特徴(2026年7月7日時点) |
|---|---|---|
| スペースX(SPCX) | 打上げ・通信 | 2026年6月12日上場。株価156.45ドル(7月6日終値)。7月7日にナスダック100採用 |
| Rocket Lab(RKLB) | 打上げ | 小型ロケットの代表格。株価93.44ドル・時価総額約557億ドル(7月6日)。イリジウムを約80億ドルで買収すると発表(2026年7月報道) |
| AST SpaceMobile(ASTS) | 衛星通信 | スマホと衛星の直接通信。株価80.61ドル(7月6日) |
| Intuitive Machines(LUNR) | 月面輸送 | NASAの民間月面輸送(CLPS)で6件目を受注(2026年報道) |
| Planet Labs(PL) | 地球観測 | 観測衛星データの販売 |
| Lockheed Martin(LMT)・Boeing(BA) | 防衛大手 | 政府宇宙システムの主要請負企業 |
※株価・時価総額は記載日時点の参考値です。宇宙株は変動が激しく、直近も前週の急騰(RKLB+25%・ASTS+30%)から7月6日に一斉反落(RKLB-7%・ASTS-5%)するなど値動きが荒い点にご注意ください。
米国の宇宙関連銘柄|スペースX(SPCX)・ロケットラボなど
米国は宇宙ビジネスの本場です。民間企業がロケット打上げから衛星通信までを一気通貫で担い、上場市場にも純粋な宇宙企業が揃っています。
- スペースX(SPCX):打上げシェアで他を圧倒し、衛星通信Starlinkの契約者は約1,000万件(2026年2月に突破・160カ国以上)に達しています。2026年6月12日に公募価格135ドル・調達額約750億ドル超という史上最大のIPOで上場し、7月7日にはナスダック100にも採用されました。買い方・上場後の値動き・割高性の検証はスペースX(SPCX)株の買い方と今後の解説記事で月次更新しています
- Rocket Lab(RKLB):小型ロケット「エレクトロン」で打上げ回数を積み上げ、日本のSynspectiveの衛星打上げも受託しています。2026年7月には衛星通信のイリジウムを約80億ドルで買収すると発表し、打上げ+通信の垂直統合へ動いています
- AST SpaceMobile(ASTS)・Planet Labs(PL)・Intuitive Machines(LUNR):それぞれスマホ直接通信・地球観測データ・月面輸送という「一点突破型」の銘柄です。事業が当たれば大きい一方、単一事業ゆえに失敗時の下振れも大きい構造です
米国宇宙株は2026年6〜7月、スペースX上場を触媒にセクター全体が急騰と反落を繰り返しています。個別銘柄の値動きに一喜一憂する前に、セクター全体の資金の流れを見る習慣をつけましょう。
日本の宇宙関連銘柄|宇宙ベンチャーから大手重工まで
日本株の宇宙関連は、大きく「グロース市場の宇宙ベンチャー」と「プライム市場の大手」に分かれます。
宇宙ベンチャーは、月面輸送のispace、SAR衛星(雲や夜間でも地表を観測できるレーダー衛星)のQPSホールディングスとSynspective、デブリ除去のアストロスケールHDが代表格です。いずれも技術面では世界水準にありますが、4社とも赤字先行であり、ispaceは2026年3月期決算で継続企業の前提に関する重要な疑義が注記されるなど、財務面の体力には大きな差があります(2026年7月時点)。
なお、QPS研究所(5595)は2025年12月に持株会社体制へ移行し、現在はQPSホールディングス(464A)として上場しています。旧コードのまま解説している記事も多いため、発注時はご注意ください。
大手では、H3ロケットの三菱重工、ロケットエンジンのIHI、衛星製造の三菱電機、衛星通信のスカパーJSATが中核です。これらは宇宙事業が本業の一部にすぎない半面、財務は安定しており、配当を受け取りながらテーマに参加できます。
ベンチャーと大手のどちらが優れているかではなく、「値動きの大きさを取るか、財務の安定を取るか」という別の商品だと理解するのが出発点です。国内ベンチャー4社の決算数値・ミッション進捗・「第2のスペースX」の探し方は、日本の宇宙ベンチャー株4社の徹底解説記事で詳しく解説しています。
なぜ今、宇宙関連銘柄が注目されるのか|スペースX上場と市場拡大の背景
注目が集まる背景は3つあります。
- 史上最大のIPOがもたらした資金流入:2026年6月のスペースX上場は調達額約750億ドル超と史上最大で、日本でもみずほ・楽天・SBI証券経由で個人が抽選参加できました。「宇宙株を買う」という行動が一気に身近になり、関連銘柄への物色が広がっています
- 市場規模の拡大予測:世界経済フォーラム(WEF)は宇宙経済が2035年に1兆7,900億ドル(約286兆円)規模に達するとの予測を公表しています。通信・観測データ・安全保障と、需要の裾野が広がり続けています
- 次の大型上場への期待:OpenAI・AnthropicといったAI企業の上場観測(両社とも2026年6月にSECへ機密申請済み・2026年7月7日時点)が続き、「大型IPO→テーマ株物色」というサイクルへの期待が高まっています。IPO動向はOpenAI・Anthropicの上場観測を追跡する記事で随時更新しています
ただし、市場拡大の予測はあくまで長期の見通しであり、個別企業の株価上昇を保証するものではありません。テーマの追い風と銘柄選別は分けて考えてください。
宇宙関連銘柄の選び方|収益化ステージ・官需依存度・テーマ純度の3軸
宇宙関連銘柄を比較するときは、次の3軸で位置づけると整理しやすくなります。
軸1:収益化ステージ
「実証前(技術開発中)→実証済み(初期売上)→量産・黒字化」のどの段階かを見ます。たとえばアストロスケールHDは売上急拡大と売上総利益の黒字化まで進んだ段階、ispaceはミッション成功による事業実証がこれからの段階です(2026年7月時点)。ステージが早いほどリターンの振れ幅もリスクも大きくなります。
軸2:官需依存度
売上に占める政府・官公庁案件の比率です。官需は安定収入源になる一方、予算や政策変更の影響を受けます。防衛大手は官需比率が高く安定型、民間サービス主体のベンチャーは市場開拓次第の成長型です。
軸3:テーマ純度
本業に占める宇宙事業の比率です。三菱重工やKDDIは優良企業ですが、宇宙事業は売上のごく一部にすぎず、「宇宙が伸びたら株価も伸びる」とは限りません。逆にispaceやアストロスケールHDは純度100%で、テーマの成否がそのまま株価に直結します。「宇宙関連銘柄」と紹介される大型株を買う前に、その会社の株価が本当に宇宙で動くのかを確認してください。
この「テーマ純度」の考え方は他のテーマ株にも応用できます。たとえば暗号資産の世界では、ビットコインを大量保有する上場企業(DAT銘柄)の純度分析をビットコイン保有上場企業(DAT銘柄)の分類と一覧記事で行っています。テーマ株投資の共通フレームとして参考にしてください。
宇宙関連銘柄のリスク|赤字先行・打上げ失敗・テーマ株特有の急騰急落
宇宙関連、特にベンチャー銘柄への投資では、メリットと同じ熱量でリスクを直視する必要があります。
- 赤字先行と資金調達リスク:衛星もロケットも先行投資が巨額で、国内ベンチャー4社(ispace・QPSホールディングス・アストロスケールHD・Synspective)はいずれも最終赤字です(2026年7月時点)。赤字が続けば増資による希薄化(1株価値の低下)が起こりやすく、ispaceのように継続企業の前提に関する重要な疑義が注記される事例もあります。決算短信の注記欄まで確認してください
- 打上げ・ミッション失敗リスク:ロケットの打上げ失敗や着陸失敗は一夜で株価を急落させます。技術実証段階の企業ほど、単一イベントへの依存度が高くなります
- テーマ株特有の急騰急落:2026年7月第1週だけでも、RKLBが週+25%→翌営業日-7%という値動きでした。ニュースで話題になってから買うと高値づかみになりやすい典型的なテーマ株の値動きです
- 米国株固有のリスク:為替変動(2026年7月6日時点で1ドル=約162円)、取引時間の時差、一次情報が英語であることによる情報格差があります
「打上げ成功のニュースを見て買い、次の失敗で狼狽売り」が最悪のパターンです。イベントの結果に賭けるのではなく、余剰資金の範囲で、複数銘柄・複数回に分けた投資を検討してください。
宇宙関連銘柄の買い方|日本株・米国株それぞれの証券口座
- 日本株(ispace・QPSホールディングス・三菱重工など):国内の証券口座があれば通常の株式と同様に購入できます。グロース市場のベンチャーも100株単位です。NISA成長投資枠も利用できます
- 米国株(SPCX・RKLBなど):米国株対応の証券口座(外国株式口座)が必要です。1株単位で買えるため、SPCXなら約2.5万円(156.45ドル×約162円・2026年7月6日時点)から購入できます
- 米国IPOへの抽選参加:スペースXではみずほ・楽天・SBI証券経由で日本の個人が抽選参加できた前例があります。次の大型IPOに備えるなら口座の事前開設が実務上の準備になります
米国株口座の選び方・開設手順・手数料・NISA適用可否は、米国IPO・米国株に日本から投資する方法の解説記事で詳しくまとめています。
DMM 株で口座開設宇宙関連銘柄に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 宇宙関連銘柄の「本命」はどれですか?
「本命」の定義は投資目的によって変わります。財務の安定を重視するなら大手(三菱重工・スカパーJSATなど)、テーマ純度と成長性を重視するならベンチャー(アストロスケールHD・QPSホールディングスなど)や米国のRocket Labが候補になります。本記事は特定銘柄を推奨せず、収益化ステージ・官需依存度・テーマ純度の3軸での比較をおすすめします。
Q2. スペースX(SPCX)は日本から買えますか?
買えます。2026年6月12日に上場済みのため、米国株対応の証券口座があれば1株(2026年7月6日終値156.45ドル)から購入できます。手順は米国株口座の開設と買い方の解説をご覧ください。
Q3. 日本の宇宙ベンチャーはなぜ赤字なのですか?
衛星・ロケットは開発と打上げに巨額の先行投資が必要で、売上が立ち始めるのは実証後だからです。赤字自体が異常なのではなく、「資金が実証完了まで持つか」が評価の分かれ目です。継続企業の前提に関する注記の有無を決算短信で確認してください。
Q4. QPS研究所の株を買おうとしたら見つかりません。
QPS研究所(5595)は2025年12月1日の持株会社化により、QPSホールディングス(464A)に移行しました。旧株式は1:1で新会社株式に移行済みで、現在購入できるのは464Aです(2026年7月時点)。
Q5. 宇宙関連銘柄はNISAで買えますか?
買えます。日本株・米国株とも成長投資枠の対象です(2026年7月時点)。ただし値動きが荒いテーマのため、非課税枠を使うかどうかはリスク許容度とあわせて判断してください。
Q6. 衛星データやデブリ除去は本当に儲かるのですか?
市場自体は拡大予測(WEFは2035年に約1.8兆ドル規模と予測)ですが、個別企業の収益化はこれからが本番です。アストロスケールHDのように売上急拡大の段階に入った企業もあれば、実証前の企業もあり、一律には語れません。「テーマの有望さ」と「その会社が勝つか」は別の問いです。
Q7. 宇宙関連のETFや投資信託はありますか?
米国にはARKX等の宇宙関連ETFが存在し、国内でも宇宙・防衛をテーマにした投資信託が組成されています。個別銘柄の選別に自信がない場合の分散手段になりますが、信託報酬や組入銘柄(宇宙純度の低い大型株が多く含まれる場合があります)を確認してから選んでください。
Q8. 次に上場しそうな宇宙・テック企業はありますか?
2026年7月7日時点で、OpenAI・Anthropic(いずれもAI企業)がSECへ機密申請済みで、上場観測が報じられています。最新状況は次の大型IPOの追跡記事で随時更新しています。

