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渋谷vs京都、東西ディープテック「聖地」対決の行方は? IVS2026セッションレポート

渋谷vs京都、東西ディープテック「聖地」対決の行方は? IVS2026セッションレポート

渋谷でディープテック拠点を運営する東急不動産と、京大発スタートアップを育てる京都iCAP。IVS2026のセッション「渋谷 vs 京都」で語られたのは、10年かけて産業を作る街と、多様性で人を混ぜる街の違い、そして「対決」から「連携」へ向かう1時間だった。

DEEPPOINT編集部DEEPPOINT編集部
公開 2026.08.28更新 -

2026年7月2日、京都・みやこめっせで開催されたスタートアップカンファレンス「IVS2026」。そのKYOTO STAGEで、ひときわ目をひくタイトルのセッションが行われた。「渋谷 vs 京都 〜東西ディープテックエコシステムの聖地を徹底議論〜 powered by 東急不動産」。

渋谷でディープテックエコシステムを構築する東急不動産と、京都で京大発スタートアップを育てる京都iCAP。東西のディープテックの盛り上がりについて1時間のセッションが行われた。

編集部注

本記事は、イベントの録音をもとに、編集部で発言を整理したうえで再構成したものです。

登壇者(敬称略)

中村 真也(モデレーター) ── 京都府 産業振興課 副主査。スタートアップ支援を担当し、京都iCAP・東急不動産と連携した事業を推進する。

小泉 雅昭 ── 東急不動産株式会社 渋谷事業本部 タウンマネジメント部 スタートアップ共創グループ グループリーダー。大学時代の4年間を京都で過ごした「京都好き」でもある。

福田 浩士 ── 株式会社meleap CEO。AR(拡張現実)を活用したテクノスポーツ「HADO」を開発し、40カ国に展開。学校教育や部活動、企業研修まで活用が広がる。

菅野 流飛 ── 京都大学イノベーションキャピタル株式会社(京都iCAP)マネジャー。京大の研究者・起業家に伴走し、会社の立ち上げから支援する。趣味はブラジリアン柔術。

寺尾 昌人 ── 京都iCAP EIR(客員起業家)、コンテンツクリエイター。東京生まれ。ゴールドマン・サックスのニューヨーク勤務を経て約50カ国を旅し、起業準備の地に京都を選んだ。

「マイナスから0を作る」京都は、10年単位の産業づくりの街

中村:今回はディープテックに特化して議論していきます。まずは東西それぞれの取り組みとして、特にご紹介したい部分、これから注力していきたい事業を教えてください。菅野さん、京都側からお願いできますか。

モデレーターを務めた京都府 産業振興課の中村真也さん

<中村 真也さん>

菅野:京都大学には2つの特徴があると思っていただくといいですね。1つは研究。アカデミアとして、ノーベル賞受賞者の輩出という成果があります。昨年受賞された坂口志文先生、北川進先生のお二人も京大出身です。

もう1つは、京都は非常に左側の思想が強いことで有名なんですけれども、捉え方によっては、資本主義的なものに流されない文化がここにはあると僕は思っています。だからこそ世界的な研究成果が生まれている。5年、10年かけて戦略的に何かをやっていく時間の流れ自体が、東京の速さとは違う。過去には任天堂さんや京セラさんのような産業も生まれてきた職人気質の街で、アカデミアを中心に、10年、20年かけて新たな産業を作る挑戦をしている場所なのかなと思っております。

中村:具体的にはどんな会社を支援されているんですか。

菅野:設立から一緒にやらせていただいた会社で言うと、核融合発電、太陽電池、iPS細胞を用いた再生医療、最近ですと量子コンピュータの実機を作る会社やバイオセンサーなど、普段皆さんがお聞きにならないような技術の社会実装をやっています。

1つだけ事例をお伝えすると、日本初の核融合スタートアップである京都フュージョニアリングは京都大学から生まれたんですけれども、担当キャピタリストが創業当初から、先生方と経営人材のマッチングにかなり力を入れていました。ただ、いい出会いと言っても、先生とビジネスマンではセンスが全然違うので「じゃあやりましょう」とはならないんですよね。うちはキャピタリストが創業初期から先生方にも起業家にも伴走して、「金はあんまり好きじゃないんだけど」と言われながら、「そこは先生、我々の責任なんで」とか言いながら、半年かけてできたのが京都フュージョニアリングです。

歴史的に我々のVCは全国でも極めて珍しく、キャピタリストが長ければ5年、先生方や起業家に伴走して、一緒に会社を作って設立出資させていただく会社です。「マイナスから0を作る」。我々はカンパニークリエーションと呼ぶんですけれども、そこにしっかり向き合ってきたのが京都iCAPおよび京大の特徴かなと思っております。

京都大学イノベーションキャピタル(京都iCAP)マネジャーの菅野流飛さん

<菅野 流飛さん>

中村:EIRの取り組みについても少しご紹介いただけますか。

菅野:2023年から、VCという基盤の中で直接起業準備をしていただく客員起業家、EIRと呼ばれる制度の運用を始めています。フルタイムの方は契約社員として2年間、サラリーをいただきながら自分の起業準備をする。まさに寺尾さんがそうです。オンラインのコミュニティは今50名規模で、東京の方でも海外の方でも我々のリソースにアクセスできて、先月起業しましたという人やビッグディールをやっている人たちとつながれます。昨年はこのコミュニティから4社が起業してくれて、うち2社には我々も設立出資をしました。

寺尾:EIRはアントレプレナー・イン・レジデンスの略ですね。アメリカだと、京都のお寺でアーティストの方が住み込みで襖絵を描く「アーティスト・イン・レジデンス」がありますけど、その起業家版です。

「まるで研究室が渋谷にあるような環境」SAKURA DEEPTECH SHIBUYAに集う200超のパートナー

中村:小泉さん、東京側で作られているコミュニティ、東急さんの事業の特徴的な取り組みを教えてもらえますか。

小泉:我々は渋谷駅から半径2.5km圏内を「広域渋谷圏」と定義しております。渋谷以外に原宿、代官山、青山、恵比寿がそれに当たるんですけれども、その圏内でまさに新しく産業を作るべく、産業育成を推進しています。

渋谷サクラステージに「SAKURA DEEPTECH SHIBUYA」という産業支援施設を開業いたしました。特徴は大きく2つ。1つはディープテックに特化した産業育成支援施設として日本最大級であること。2つ目がグローバルです。公用語は英語ですし、設計の段階からMIT(マサチューセッツ工科大学)の産学連携プログラムと一緒になって、まるで研究室が渋谷にあるような環境を作っていきたいと思い、設立いたしました。

現在、産官学、国内外200を超えるパートナーの皆様と一緒に産業育成支援をしています。日本のスタートアップを海外に持っていってスケールさせるのもそうですし、海外のスタートアップが日本に来る際のハブ、入口になる機能を担えればと思っております。

東急不動産 渋谷事業本部の小泉雅昭さん

<小泉 雅昭さん>

中村:福田さんは実際にアクセラレータープログラムに参加され、東京で活動されている中で、感じられているところはありますか。

福田:うちの会社はずっと東京にいて、渋谷に通い出したのは今週からなんですが、SAKURA DEEPTECH SHIBUYAに行ってみると、ほぼ毎日いろんなイベントが開催されているんですよね。いろんな外国の方々も入り混じって、コミュニティが本当に盛り上がっている。こんなにイベントでコミュニティが盛り上がっている拠点はなかなかないと思うんですが、それがたくさんあるのはすごいことだなと思います。

渋谷ってある意味「未完の街」とも言われますけど、いろんな実験的なことができる場所じゃないですか。それを東急さんと一緒にやらせていただけるのは、むちゃくちゃいい機会だなと思って応募したのが背景ですね。

株式会社meleap CEOの福田浩士さん

<福田 浩士さん>

中村:ディープテックに特化したプログラムなんですか。

小泉:今回のテーマは「ディープテック×コンテンツ」です。1年目はAI、ロボティクス、クライメートテックといった領域をやっていたんですけれども、渋谷の街で実証実験をしていくなら、コンテンツの分野をやったほうが我々っぽいんじゃないかなと。例えば「AI×音楽」とか「ロボット×フード」とか、より渋谷らしいテーマで取り組めたらと思って、少し変えていっている部分がありますね。

「ゆったりやるなら京都、バリバリやるなら東京」時間の流れが違う2つの街

中村:寺尾さんは東京や海外も見られてきた中で京都に来られて、スピード感や京都のディープテックの特徴で感じるところはありますか。

寺尾:僕はニューヨークとサンフランシスコ、パリにも住んできたので、俯瞰的にグローバルの東西対決も勝手にやっていきたいんですけど(笑)、京都はディープテックが強みという文脈だと、ボストンと比較されることが多いんですね。実際、姉妹都市ですし。

その上で、いろんな都市に住んで感じる京都の良さは、非常に集中できる点にあると思います。東京とかニューヨークだと、すごく楽しいことが多いじゃないですか。友達からの誘いを断るのも一苦労で。京都は適度に田舎なので本当に集中できて、京都に来てからはかなり集中して事業に取り組んでいます。

京都iCAP EIR(客員起業家)の寺尾昌人さん

<寺尾 昌人さん>

あと、東京だと建物がわーっと目の前にあって人の流れも速くて、短期的なパルスに生活リズムが合っていく一方で、京都は何千年とあるお寺や歴史的なものの中で、変わりゆくものと変わらぬものを目の前で見ながら考えられる。京都大学って、ディープテックの文脈だけでなく哲学もすごく有名じゃないですか。ああいうものが発展した背景の一つには、こういう地理的環境や歴史的背景があるんだろうなと感じますね。

中村:菅野さん、京都の強みで渋谷とはちょっと違うんだというところはありますか。

菅野:行政も巻き込んだ街づくりが起こってきているのは、渋谷も京都もそんなに変わらないと思うんです。我々も京大として行政さんと組みながら、海外とのハブ、ネットワークを作るところをやっていますし、MITのThe Engineともつながろうとしています。その上で、R&Dとか時間がかかることは、おそらく京都で集中してやったほうがいい。逆に、人・モノ・カネが日本で最も集中している東京でこそできるディール、できる海外展開はやっぱりあると思います。

あえて京都を押すのであれば、ゆったりやりたいときは京都に来てください。バリバリやるときは東京に行かれてください。2拠点生活がいいんじゃないでしょうか、というのがおすすめになるかなと思います。

中村:京大発のディープテック企業の、分野的な特徴はありますか。

菅野:我々は投資ポートフォリオを明確には持っていないVCで、先生方に伴走した結果がポートフォリオになっているんですが、やはり時間がかかるものが多い印象です。明確に言うと、京都は、京大だけでなく関西全般ですけど、AIはやはり少し弱いです。話はシンプルで、顧客企業はほとんど東京にいるので。

一方で、核融合や、iPS細胞の再生医療。山中先生(iPS細胞を作製し、2012年にノーベル生理学・医学賞を受賞した京都大学の山中伸弥教授)から20年経って、世界で初めてiPS細胞の再生医療がこの前上市されましたけど、その間の勝負に付き合うのは、正直ファイナンシャルリターン第一では難しい。そういう本当に気の長い作業だけれども社会に必要だろうというもののインキュベーションは、時間がゆったり流れる京都でやる。実績的にもなんとなくそうなっている印象ですし、すごく意味があるかなと思います。

「30分でミリオンが決まる世界」スピードとお金の東西・日米格差

中村:資金調達やビジネス環境の面ではどうでしょう。京都のものづくりの強みも含めて教えてください。

菅野:ものづくりに関しては京都はすごく強くて、京都試作ネットさんという、ものづくりが強い中小企業のネットワークがあるんです。我々の大学発プロジェクトでも、ポンと投げると「いったんこんな感じで作れます」というものが1〜2か月で返ってくる。「ものをパッと作ってみたい」って意外とできなかったりするんですが、京都だとちょっといけますね。身内だと信頼関係で速く回せる、よくも悪くも村社会としての強さが京都はすごく良いのかなと。行政さんが入ってくださると、会えない企業さんもほぼないですし。

資金調達も、自画自賛みたいになっちゃいますけど、我々京都iCAPは東京以外で最も大きなファンドを運営している大学VCですので、資金余力も出てきています。

ただ、時間の流れや意思決定の速さで言うと、例えば日本のVCはアメリカのVCと比較したら圧倒的に遅い。あっちは30分でミリオンが決まっている世界で、日本は3か月で1億円の投資を話している。そういうテンションで戦っていく環境に身を置くときは、渋谷みたいな多様な人材が集まるところに出向いて勝負を仕掛ける。ビジネスのステージや状況の変化に合わせて、自分がいる場所を選択していいのかなと思います。

中村:寺尾さんは海外も見られている中で、ビジネス環境の面で感じることはありますか。

寺尾:前職で証券部門にいて、主に米国債券を担当していたんですけど、USとJapanのマーケットは基本的に桁が1つ違うくらいの差があります。スタートアップはさらにパワーローが働く世界なので、同じ事業でもバリュエーションに10倍くらい差がつくことも全然ある。だから起業家目線としては、Day 1からグローバルでいくのか、日本で登記するのか、デラウェアで登記するのか考える機会が多いですし、一番いい形でできればと思っています。

中村:福田さんから見てどうですか。

福田:アメリカの話だったので、アジアの話をすると、うちは上海に子会社を持っているんですね。中国の行政とか政府って、ものすごくガツガツしてるんですよ。政府の役人の方々が、どれだけでかいビジネスを作れるかが自分たちの出世に直接つながるので、優秀な企業を誘致して育てて大きくすることに、ものすごく高いモチベーションを持っている。いい会社にはどんどん政府が支援してくれる。日本だと考えられないレベル感でお金やアセットを出してくれるんです。

逆にスピード感がありすぎて「後先考えねえな」ってよく感じるんですけど(笑)、そこは面白いポイントですし、アメリカだけじゃなくシンガポールやアジアも含めて、いろんな都市を拠点の選択肢として考えるべきなんじゃないかなと思っています。

就活しない京大生は「かなりいいプール」人材とコミュニティの東西差

中村:コミュニティについて掘り下げたいと思います。寺尾さん、創業する側の目線で、コミュニティはどの程度必要で、どんな意義があると感じますか。

寺尾:人とお金が集まるのは東京だと感じる部分は多い一方で、ちょっと違う観点で、採用というあらゆる企業が悩むところで話をさせてもらうと、京都にはすごいポテンシャルがあると感じています。

僕自身、大学は渋谷からほど近い東大の駒場キャンパスだったので、1、2年生の頃から周りはインターンなどで早い段階からどんどん社会に出ていくんですね。素晴らしいことだと思います。ただ一方で、京都大学の学生を見ていると、就活とか「マジ、いつの?」みたいな、全然してない人たちがすごくたくさんいて。逆にそれを採用する側から見ると、かなりいいプールなんですよ。

シリコンバレーもスタンフォードの学生がインターンからそのまま就職して大きなテックスタートアップができている。京都は人口の1割が学生なのに、就職段階でそのうちの8割が出てしまうんですね。そこを本気で採りにいったら、東京だと選択肢が多すぎてなかなか採れないところを、ガッと採ってみんなで盛り上げていく、素晴らしいポテンシャルがあるなと感じます。

菅野:学生という意味では寺尾さんのおっしゃるとおりで、京都市内だけでも日本有数の学生の街ですから。あと、言い方が難しいんですけど、僕はずっと東京にいたので、常に緊張感があって、生き抜くために全てを許してはいけないみたいな感覚があったんですが、京都は素直なことを言っていい、自己主張することが是とされる感覚がある。すごく素直で気持ちいい人に出会いやすいんです。

先生方もそうです。先生方はものすごく自分の研究を社会実装したいんですよ。めちゃくちゃしたくて、でも自分ではできないと分かっているから、本当に助けてくれるプロがほしいと素直に思ってくださっている。一儲けしたいという人はほぼいないですね。だから本気の起業家とは、人生の哲学まで一致すれば、ものすごくいいバディとして成立する。資本主義があんまり優先されないからこそ、やりやすいところは少しあるのかなと感じますね。

中村:小泉さん、コミュニティを不動産デベロッパーとしてどう支援していくか、という観点ではいかがですか。

小泉:いろんな人をつなぎ合わせる役目が大事だなと思っているんですね。普段、AとBは放っておいても会う。AとC、絶対出会わなそうなところを混ぜていく。我々は「色がない」ので、産官学いろんな人を混ぜられる。それがコミュニティの強さであり、我々の強みかなと思います。

中村:渋谷で持たれているものを、京都など他の拠点で展開することはありますか。

小泉:渋谷だけで実証を完結させるのは難しいんですよね。最適な場所、最適なコミュニティ、最適な学術機関や行政はそれぞれあると思うので、渋谷で持っているものを京都に持っていって、じっくり作り上げていくことは前向きに捉えております。

「日本に行くなら渋谷か京都。共通パスを作っちゃいます」対決から連携へ

中村:ここからはシナリオにない部分もぜひ。話したいテーマがあればどうぞ。

菅野:世界から見たときの日本のビジネス拠点は、多分東京なんですよね。もう明確だと思います。パワーが違う。ただ、じゃあ世界のエスタブリッシュメントの人たちの多くが日本で一番好きな場所はどこかというと、多分京都なんですよ。

ビジネスで東京に行って、週末京都に寄って、関空から帰るのは全然あり得る話で。我々は世界に愛されている文化を持っていて、そこにたまたま技術もある。だから海外の投資家の皆さんには「皆さん京都好きでしょう」「京大と一緒にやったら毎週来られるかもしれませんよ」という形で誘致しているんですよね。文化がある街に来てください、そこに技術もありますよ、という話でつなげようとしている。この勝ち筋は、京都が東京に負けないポイントとして押し出せるのかなと思っています。

小泉:東京の中でも、渋谷はカルチャー・文化、負けてないです(笑)。

我々はスタートアップ支援の中で、場所の提供もCVCを通じた出資もやっていますが、一番やりたいのはカルチャー、文化、コミュニティを作っていくことなんですよね。なんで渋谷にこんなに文化が根付くのか、正直言語化が難しいんですけど、やっぱり多様性です。いろんなものを排除せずに人・モノ・カネを集めた結果、多様な文化が生まれている。これを新しい産業を作るところに転換していくのが、我々デベロッパーの役目だと感じています。京都の素晴らしい文化を渋谷に混ぜ込むことで、より厚みが増すと思っています。

菅野:確かに、渋谷のポップカルチャーってめちゃくちゃ強いですよね。京都はアートが超強い。そのミクスチャー、お互いの芸術やビジネスを掛け算していく取り組みを行政さんも含めてやっていけたら、エッジが立つ。「日本に行くなら渋谷か京都」「共通パス作っちゃいます」とかやれたら、めちゃくちゃ面白いなって感じました。

中村:実はIVSは京都で4年やっていますが、参加者は京都・関西の方よりも東京の方のほうが多いんです。京都でビジネスを連携してみたい、京都のカルチャーと連携したい、そういう方が集まる場になっているのかなと思うので、今のお話は実際と合っている部分もあるなと聞いておりました。

「関われるところは全部関わる」登壇者それぞれの総括

中村:最後に、お一人ずつ今日の総評と、聞いておられる方へのメッセージをお願いします。

菅野:私はこの10年間、この国のディープテックスタートアップを支援したい、そしてハブを作りたいと思っています。日本ってこんなに小さい国なのに、海外のVCや投資家が来ると、東大に行って京大に行って阪大に行って東北大に行ってってナンセンスじゃないですか。誰かがハブを作るべきで、そこに僕は10年コミットしたい。渋谷・京都連合とかできたら、というのは今日すごく感じたので、ぜひいろいろ一緒に取り組みたいなと。以上、豊洲生まれの菅野でございました(笑)。

中村:そういう連携をブーストさせるには、どういうプレイヤーが参画するとうまくいくと思いますか。

菅野:いろんな企業さんが絡んだコンソーシアムに、というのが平べったい答えなんですけど、東急さんと半年ご一緒して思うのは、やっぱりテンション高い人がいいですね。行政にしても大企業にしてもVCにしても、真面目で堅いことだけやっていたら進まないので、スピードでやっていこうぜ、という人たちと絡んでいけたらうれしいなと感じています。

福田:今日1時間お話を聞いて、京都のアカデミアにすごく興味が湧いて、もっと京都に突っ込んでいこうかなと思いました。京都コミュニティに関わっていきたいのが1つと、あと渋谷とか京都とか関係なく、日本全国いろんな場所があるので、関われるところは全部関わるのがいいと思っているんです。全部関わって、様々なことを活用できたらいいんじゃないかなと思っています。

寺尾:この情報化社会、AI時代の中で、正直どこにいてもできる仕事は増えている。だけど同時に、逆説的に、どこに身を置くかが本当に大事です。人間は環境依存なので。そして文化も、最終的に紡ぐのは必ず人じゃないですか。ピラミッドも日本の伝統芸能も、継続的な努力があって初めて続き、発展していく。改めて京都、そして渋谷、日本全国を、日本人としてのアイデンティティを持って盛り上げていきたいと今日は感じました。

小泉:冒頭で申し上げたとおり、私は京都がめちゃめちゃ好きなので、帰ったらすぐ、熱量とスピード感を持ってやりましょう(笑)。あとスタートアップの皆さんに申し上げたいのは、不動産会社ってどうしても場所を貸して外から支援しているように見えがちなんですけど、我々は本当に、いいときも悪いときも一緒に、我々自身も入り込んで、喜びを分かち合いたいと思っています。一緒にやれるプレイヤーの皆さんは常に募集していますので、渋谷でお気軽に声をかけていただければと思います。

セッション終了後、KYOTO STAGEに並ぶ登壇者5人

<左から中村さん、小泉さん、福田さん、菅野さん、寺尾さん>

セッション概要

渋谷 vs 京都 〜東西ディープテックエコシステムの聖地を徹底議論〜 powered by 東急不動産 ── 2026年7月2日、IVS2026(京都・みやこめっせ)のKYOTO STAGEで開催された1時間のセッション。渋谷で「SAKURA DEEPTECH SHIBUYA」を運営する東急不動産と、京大発スタートアップのカンパニークリエーションを手がける京都iCAPが、東西のディープテックエコシステムを論じた。

取材・文・撮影:DEEPPOINT編集部/取材日:2026年7月2日(IVS2026 Kyoto・KYOTO STAGEにて)

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