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ステーブルコイン関連銘柄とは、円やドルに価値を連動させたデジタル通貨「ステーブルコイン」の発行・決済・インフラに関わる上場企業の株です。2025年のJPYC発行開始、2026年のSBI「JPYSC」提供開始、3メガバンクの共同発行方針と、日本市場は制度・プレイヤーの両面で急速に動いています(2026年7月7日時点)。
この記事でわかること
- 改正資金決済法で「誰がステーブルコインを発行できるようになったか」という規制の全体像
- 銀行・信託系/決済・インフラ系に分けた国内関連銘柄の一覧と、各社の関与の中身
- 海外の関連株(サークルなど)と、テーマ株特有の注意点
ステーブルコインとは?関連銘柄が注目される理由をわかりやすく解説
ステーブルコイン(stablecoin)とは、米ドルや日本円などの法定通貨に価値を連動させたデジタル通貨です。1枚≒1ドル(または1円)を保つよう、発行の裏付けとして預金や国債などの資産を保有します。ビットコインのような価格変動を目的とする資産ではなく、いわば**「ブロックチェーン上で24時間365日動く電子的な現金」**です。
関連銘柄が注目される理由は、市場の成長速度にあります。世界のステーブルコイン時価総額は約3,000億〜3,200億ドル規模に達し(DefiLlama集計ベース・2026年4〜6月時点)、送金・決済・貿易金融への実用が広がっています。日本でも2025年8月に日本初の円建てステーブルコイン「JPYC」が発行され、2026年にはSBIグループの「JPYSC」が登場、3メガバンクも共同発行を準備中です。「通貨のデジタル化」というテーマの入口に、発行・決済・システムの各レイヤーで上場企業が立っていることが、関連銘柄への物色の背景です。
日本のステーブルコイン規制|改正資金決済法で何が可能になったか
日本のステーブルコインは、世界的にも早く法制度が整った分野です。規制の節目は2つあります(2026年7月7日時点)。
第1段階: 2023年6月施行の改正資金決済法。ステーブルコイン(法定通貨連動型)を「電子決済手段」と法的に定義し、発行できる主体を銀行・信託会社・資金移動業者に限定しました。あわせて、流通・売買を担う「電子決済手段等取引業」の登録制も創設。つまり日本では、無登録の海外発行体が野放しに流通させることはできず、「誰が発行し、誰が流通させるか」が免許制で管理されています。
第2段階: 2026年6月施行の改正資金決済法。実用化を後押しする緩和・整備が入りました。主な内容は次のとおりです。
- 信託型の裏付け資産運用の柔軟化: 発行額の50%を上限に、残存3カ月以内の国債や中途解約可能な定期預金での運用が可能に(従来は要求払預金のみ)。発行体の収益性が改善し、参入誘因が強まりました
- 仲介業の創設: ステーブルコインの媒介のみを行う「電子決済手段・暗号資産サービス仲介業」が新設され、アプリ事業者などが参入しやすくなりました
- 海外発行の信託型ステーブルコインを条件付きで国内流通可能にする内閣府令も施行(2026年5月公布・6月施行)
さらに金融庁は、3メガバンクなどによる共同発行の実証実験を「決済高度化プロジェクト」の第1号案件として支援しています(2025年11月発表)。規制が「制限」から「実用化支援」のフェーズに移ったことが、2026年のテーマ性を支えています。
なお、暗号資産を金融商品取引法へ移管する改正法案(2026年7月7日時点で参議院審議中)は、これとは別の法律です。ステーブルコインの制度はすでに施行済みの資金決済法側で動いている点を押さえておきましょう。
ステーブルコイン関連銘柄一覧【日本株】
国内の主な関連銘柄です(2026年7月7日時点。関与の内容は各社の開示・発表に基づく)。
| 銘柄(コード) | 分類 | 関与の内容 |
|---|---|---|
| 三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306) | 発行・基盤 | 傘下の三菱UFJ信託がProgmat社に49%出資。3メガ共同発行に参加 |
| 三井住友フィナンシャルグループ(8316) | 発行 | 3メガ共同発行に参加。TIS・Ava Labs等との共同検討も |
| みずほフィナンシャルグループ(8411) | 発行 | 3メガ共同発行に参加 |
| SBIホールディングス(8473) | 発行・流通 | 信託型円建て「JPYSC」提供開始(2026年6月24日発表)。国内初のUSDC取扱い、Circleへの出資も |
| 電算システムホールディングス(4072) | 流通・決済 | JPYCと資本業務提携(2024年5月)。三井住友銀行・Ava Labsとも基本合意 |
| アステリア(3853) | 出資・開発 | JPYCと資本業務提携・相互出資(2026年1月適時開示。JPYC株3.71%保有) |
| TIS(3626) | システム | JPYCと基本合意(2025年11月)。2026年内のステーブルコイン決済支援サービス提供を目指す |
| Speee(4499) | 基盤・国際送金 | 子会社DatachainがProgmatとレベニューシェア契約(2024年5月) |
| インタートレード(3747) | システム | 持分法適用会社デジタルアセットマーケッツがステーブルコイン基盤構築を支援 |
| GMOインターネットグループ(9449) | 海外発行 | 米国子会社がGYEN/ZUSDを発行(※日本居住者には非提供)。野村HDと共同検討 |
大前提として、円建てステーブルコインの発行元であるJPYC株式会社は非上場で、同社の株式は買えません。「JPYC関連株」として物色されるのは、上表のような出資・提携先の上場企業です。なお、上表以外にもJPYCへの出資企業として報じられる上場企業は複数ありますが、本記事では一次情報(適時開示・プレスリリース)で関与を確認できた企業のみを掲載しています。
以下はレイヤー別の整理であり、いずれも特定銘柄の推奨ではなく事実の整理です。
発行・準備金運用に関わる銘柄|銀行・信託系
改正資金決済法は発行体を銀行・信託会社・資金移動業者に限定したため、発行レイヤーの本命プレイヤーは必然的に大手金融グループになります。
最大の注目は、三菱UFJ・三井住友・みずほの3メガバンクによる円建てステーブルコインの共同発行です。2026年6月10日の発表では、2026年度中の実取引開始を目指して協議会を設置するとされています(当初は2025年度内の実用化が報じられており、スケジュールは後ろ倒しになった経緯があります。進捗は必ず最新の発表で確認してください)。
基盤側では、三菱UFJ信託銀行が49%出資する**Progmat(プログマ)**が発行インフラの中核です。Progmat自体は非上場のため、株式市場からのアクセスは三菱UFJ FG(8306)経由の間接的なものになります。また、SBIホールディングス(8473)は2026年6月24日にSBI新生信託銀行を発行体とする信託型円建てステーブルコイン「JPYSC」の提供開始を発表しました。信託型は資金移動業型と異なり1回100万円の送金上限規制の対象外で、法人・大口用途に広げやすい設計です。
ただし銀行・信託系の銘柄は事業規模が巨大で、ステーブルコイン事業が業績に与える影響は当面は小さい点は冷静に見る必要があります。「テーマへの関与」と「業績インパクト」は別物です。
決済・流通インフラに関わる銘柄
株価の反応が大きく出やすいのは、時価総額が相対的に小さいインフラ・システム系です。
- 電算システムHD(4072): JPYCと2024年5月に資本業務提携し、ステーブルコインを使った決済・送金サービスの社会実装を推進。2025年8月には三井住友銀行・Ava Labs(ブロックチェーン開発企業)との基本合意も発表しました
- アステリア(3853): 2026年1月の適時開示でJPYCとの資本業務提携と相互出資を発表(JPYC株の3.71%を保有)。ソフトウェア連携製品でのステーブルコイン対応を進めます
- TIS(3626): 金融システム大手。JPYCとの基本合意(2025年11月)を含め複数の実証を並行させ、2026年内の「ステーブルコイン決済支援サービス」提供開始を目指すと発表しています
- Speee(4499): 子会社DatachainがProgmatとレベニューシェア契約を結び、国際送金プロジェクト(Project Pax)を推進
- インタートレード(3747): 持分法適用会社のデジタルアセットマーケッツがステーブルコイン決済送金基盤の構築支援を発表した際、株価が材料視された経緯があります(2025年8月)
注意点として、GMOインターネットグループ(9449)の米国子会社が発行する円建て「GYEN」・ドル建て「ZUSD」は日本居住者には提供されていません。「日本企業が発行する円建てステーブルコイン」と混同しやすいため、正確に区別してください。
海外のステーブルコイン関連株【サークル(CRCL)など】
米国株では、ステーブルコインそのものを本業とする企業に投資できます(2026年7月7日時点)。
| 銘柄(ティッカー) | 事実 |
|---|---|
| サークル(CRCL・NYSE) | USDC発行体。USDC時価総額は約780億ドルで世界2位(2026年6月時点)。2026年第1四半期は売上6.94億ドル・純利益5,530万ドル |
| コインベース(COIN・NASDAQ) | USDCの収益分配パートナー。ステーブルコイン関連収益は年約13.5億ドル・全社売上の約19%(2025年) |
| ペイパル(PYPL・NASDAQ) | 自社ステーブルコインPYUSDを70市場に展開(2026年3月発表) |
世界市場ではテザー社のUSDT(約1,880億ドル・シェア約6割)が最大ですが、テザー社は非上場のため株式では投資できません。また、発行体ビジネスは「準備金の運用利息」が収益の柱で、金利水準と規制の変化が業績を直撃します。サークルは上場後、競合ステーブルコイン構想や大口パートナーとの収益分配条件の見直し観測で株価が大きく変動しており、「市場が伸びる=発行体の株が上がる」と単純には言えない点に注意してください。
ステーブルコイン関連銘柄の選び方と注意点|テーマ先行の急騰急落に警戒
ステーブルコイン関連は典型的な「テーマ株」であり、ニュースへの初動が速い一方、過熱と冷え込みも極端です。選び方と注意点を整理します。
- 「関与の深さ」を開示で確かめる: 出資か、業務提携か、実証実験のみか。同じ「関連銘柄」でも収益への距離がまったく違います。一次情報(適時開示・プレスリリース)で関与の中身を確認してください
- 業績インパクトの規模感を見る: 大手金融グループにとってステーブルコインはまだ小さな事業です。小型株ほど株価は動きますが、それは期待先行の裏返しでもあります
- スケジュール後ろ倒しリスク: 3メガ共同発行が「2025年度内→2026年度中」へ後ろ倒しされたように、実用化時期は動きます。「〇年に解禁・開始」という記事を見たら発表日を確認する癖をつけましょう
- 急騰急落の前提で資金管理する: 材料一つで急騰した銘柄は、材料の陳腐化で同じ速度で下がります。テーマ株は余剰資金の範囲で、分散を前提に
ステーブルコイン関連は、ビットコイン関連株4タイプの中の「決済系」に位置づけられます。他のタイプ(保有系・取引所系・マイニング系)との比較はビットコイン関連株の一覧・4タイプ分類で確認でき、値動きの仕組みの違いは関連株の今後・見通しの記事で解説しています。
ステーブルコイン関連銘柄の買い方
関連銘柄は通常の上場株式です(2026年7月7日時点)。
- 証券口座を開設する:日本株(8306・8473・4072など)は主要ネット証券で購入できます。サークル(CRCL)など米国株も視野に入れるなら米国株対応の証券会社を選びます
- 銘柄を検索して注文する:証券コード・ティッカーで検索し、成行・指値で注文。NISA成長投資枠の利用も可能です(対象可否は銘柄・証券会社によります)
- ニュースと開示をセットで追う:テーマ株は「発表→株価反応」が速いため、材料の一次情報を確認してから判断する習慣が重要です
証券会社ごとの手数料・米国株対応・NISA対応の比較は、DAT銘柄の買い方とおすすめ証券口座の記事をご覧ください(購入手順は共通です)。
DMM 株で口座開設ステーブルコイン関連銘柄に関するよくある質問(FAQ)
Q1. ステーブルコインとは何ですか?仮想通貨とどう違いますか?
A. 円やドルなどの法定通貨に価値を連動させたデジタル通貨です。ビットコインのように価格上昇を狙う資産ではなく、決済・送金の道具として設計されており、発行の裏付け資産と発行体規制(銀行・信託会社・資金移動業者)が法律で定められています(2026年7月時点の日本の制度)。
Q2. ステーブルコイン関連銘柄の本命はどこですか?
A. 「本命」を断定することはできません。発行レイヤーは大手金融(8306・8316・8411・8473)、流通・システムは電算システムHD(4072)やTIS(3626)など、レイヤーごとに主役が異なります。関与の深さと業績インパクトを開示資料で確かめ、ご自身の判断で選んでください。
Q3. JPYCの株は買えますか?
A. 買えません。JPYC株式会社は非上場です。株式市場からは、JPYCと資本業務提携する電算システムHD(4072)やアステリア(3853)などの上場企業を通じた間接的な関わりになります(2026年7月7日時点)。
Q4. 日本でステーブルコインはいつから解禁されましたか?
A. 2023年6月施行の改正資金決済法で発行・流通の法的枠組みが整い、2025年8月に日本初の円建てステーブルコインJPYCが発行されました。2026年6月には裏付け資産運用の柔軟化や仲介業創設を含む改正法も施行されています。
Q5. メガバンクのステーブルコインはいつ発行されますか?
A. 三菱UFJ・三井住友・みずほの3行は、2026年度中の実取引開始を目指すと発表しています(2026年6月10日時点)。当初の想定から後ろ倒しになった経緯があるため、正式なサービス開始時期は各行の発表をご確認ください。
Q6. ステーブルコイン関連株のリスク・注意点は何ですか?
A. テーマ先行の急騰急落、実用化スケジュールの後ろ倒し、発行体ビジネスの金利・規制依存、そして大企業では業績インパクトが当面小さいことです。材料のニュースだけで飛びつかず、開示資料で関与の中身と収益への距離を確認してください。
Q7. ステーブルコイン関連銘柄はNISAで買えますか?
A. 上場株式なのでNISA成長投資枠の対象になり得ます(2026年7月時点。整理・監理銘柄等は対象外)。非課税枠を使った関連株投資の考え方は仮想通貨をNISAで間接投資する方法の記事で解説しています。
まとめ|規制が整った日本市場は「レイヤーで選ぶ」
日本のステーブルコインは、規制の整備が先行し、2025〜2026年に発行・流通のプレイヤーが出揃いつつある段階です。関連銘柄を見るときは、「発行(銀行・信託系)」「流通・決済インフラ」「海外発行体」のレイヤーに分け、一次情報で関与の深さを確かめることが、遠回りに見えて最短の選び方です。
ステーブルコイン以外の関連株も含めた全体像はビットコイン関連株の一覧・4タイプ分類で整理しています。テーマ株は値動きが激しいため、投資判断はご自身の資金状況とリスク許容度に照らし、余剰資金の範囲で行ってください。

