DEEPPOINT

碍子を最初につくった有田焼の老舗。窒化ホウ素の部材も

1870年に日本で初めて磁器製の電信用碍子をつくった有田焼の老舗。美術品・碍子・セラミックの3事業部を持つ。セラミック事業部は1985年に六方晶窒化ホウ素(h-BN)の常圧焼結に成功し、窒化アルミニウム・窒化ケイ素の焼結用セッターや半導体製造装置部品を、成形から焼成・精密加工まで社内で一貫生産する。

  • 売上高—
  • 従業員230名単体 ・ 2026年10月22日時点
  • 資本金9,800万円
  • 設立1879年
  • 拠点7拠点5都道府県
  • グループ会社1社子会社 0社
  • M&A0件

香蘭社は、佐賀県有田町に本社を置く有田焼の老舗。1689年に初代深川栄左衛門が有田で陶磁器づくりを始めたのを源流とし、1875年に八代深川栄左衛門が有田の陶工・絵付師・陶商をまとめて合本組織香蘭社を設けた。1879年の香蘭合名会社は九州で最初の法人企業とされ、1970年に株式会社になった。資本金は9,800万円、従業員は230名。

事業は美術品・碍子・セラミックの3つ。八代栄左衛門は1870年、工部省電信局の求めで、日本で初めて磁器製の電信用碍子をつくった。輸入のガラス製碍子に代えて、天草陶石をもとにした配合で絶縁性と強度を両立させたもので、2026年に日本セラミックス協会の「セラミックス遺産」に認定された。いまも碍子工場で配電用・機器用の磁器がいしを天然原料から一貫生産し、電力会社などに納めている。

セラミック事業部は1970年代からファインセラミックスに取り組み、1985年に六方晶窒化ホウ素(h-BN)の常圧焼結に成功した。現在の主力はこの窒化ホウ素の成形品で、窒化アルミニウム・窒化ケイ素の焼結用セッター、高温炉の絶縁材、半導体製造装置の部品、金属を溶かするつぼやガスアトマイザーに使われる。素材の成形から焼成、ミクロン単位の機械加工までを社内で行う。採用ページでは、この事業を電気自動車に欠かせないパワー半導体の製造を支えるものと説明している。アルミナやジルコニアの製品はすでに生産を終えた。

理念
伝統とは時代とともに移りゆくもの。その時々の人々の要望に応えるものづくりを続け、日本の技と美の研鑽を積み、万国共通の最高質な製品とサービスで社会に貢献する。
創業者たちの精神
製品の品質を精緻にすること、形状および画彩は美にすること、製造の費用を抑え原価を安くすること、名誉を保ち永久の利益を図ること。
社名の由来
易経の「君子の交わりは、蘭の宝の香りの如し」と、陶磁器の原料カオリンの響きから。陶器の会社として万国に通用するよう願って名づけた。

事業内容

4事業
  • セラミック事業(窒化ホウ素成形品)

    六方晶窒化ホウ素の粉末を成形・焼結し、注文に応じた形に加工する。耐熱性・耐熱衝撃性・高温での絶縁性に優れ、窒化アルミニウム・窒化ケイ素の焼結用セッター、高温雰囲気炉の絶縁材、半導体製造装置の部品、金属溶融るつぼ・ガスアトマイザーに使われる。高純度品(BN99%以上)は熱伝導率57W/mK、不活性雰囲気で2,200℃まで使える。窒化アルミニウムやサイアロンとの複合品もある。

  • 碍子事業

    陶石・長石・粘土などの天然原料から磁器がいしを一貫生産する。配電用・機器用のがいしが中心で、各電力会社などに納める。ポリマーがいしは海外の提携先から仕入れたユニットに金具を組み付けてつくる。

  • 美術品事業

    有田焼の美術陶磁器と食器。有田町の赤坂美術品工場と岐阜県多治見市の岐阜工場でつくり、有田本店・銀座香蘭社・福岡博多店の直営店と自社のオンラインショップで売る。2021年に新ブランド「by koransha」を立ち上げた。

  • 観光事業

    有田ポーセリンパークの管理棟に事業部を置く。

グループ会社

1社

子会社 0社・関連会社 1社(公開情報で確認できたもの)

  • 大連の別会社(社名非公表)

    関連会社

    中国での販路開拓と模倣品の調査

    中国で香蘭社の模倣品が出回っていることへの対策。社員2名。出資比率は報道に無い

    所在地
    中国・大連
    設立
    2023年3月
    従業員
    2名

拠点

5都道府県 7拠点

佐賀県3拠点

  • 本社・碍子工場・有田本店本社西松浦郡有田町幸平一丁目3番8号
  • 赤坂美術品工場・セラミック工場工場西松浦郡有田町赤坂丙2295番地31989年開設
  • 観光事業部(有田ポーセリンパーク管理棟)拠点西松浦郡有田町戸矢乙370-2

岐阜県1拠点

  • 岐阜工場工場多治見市大針町字塩井戸657番201967年開設

東京都1拠点

  • 銀座香蘭社(銀座香蘭社ビル。美術品・碍子事業部の東京オフィス)営業所中央区銀座六丁目14番20号2010年開設

大阪府1拠点

  • 大阪オフィス(美術品事業部)営業所大阪市西区新町一丁目2番13号 新町ビル2階

福岡県1拠点

  • 福岡オフィス・福岡博多店営業所福岡市博多区下川端町3番2号 ホテルサイト2F 201号

経営陣

1名
  • 深川祐次

    代表取締役社長

    製造から販売までを自社で担うことを最大の強みとする。中国での模倣品対策を進める。

    取り組み

    • 中国・大連に別会社を設け、販路開拓と模倣品の調査を始める(2023年3月)

社史

30件

2026

  • 2026年2月27日認証1870年の電信用磁器がいしが日本セラミックス協会の「2025年度セラミックス遺産」に認定日本セラミックス協会

2024

  • 2024年4月受賞磁器製の照明「mono-P」が有田国際陶磁展の産業陶磁器部門で経済産業大臣賞

2023

  • 2023年3月子会社設立中国・大連に別会社を設け、販路開拓と模倣品の調査を始める

2021

  • 2021年1月上市・量産赤坂セラミック第二工場を新設

2019

  • 2019年2月受賞NY NOW で「ピンストライプR 1客カップ&ソーサー」が最優秀新商品グランプリ

2017

  • 2017年12月採択経済産業省の「地域未来牽引企業」に選定経済産業省
  • 2017年6月沿革京都の陶磁器販売・たち吉と事業提携で基本合意し、同社の商品を受託製造するたち吉

2010

  • 2010年3月沿革銀座香蘭社ビルが落成し、東京銀座ショールームを改装

2007

  • 2007年1月沿革関連会社5社(香蘭社商事・香蘭社陶磁器販売・香蘭社陶芸・香蘭社赤繪町工房・香蘭建物)を合併し、1社にまとめる

2001

  • 2001年受賞特許庁長官賞経済産業省

2000

  • 2000年受賞九州産業技術センター賞(常圧焼結による高純度 h-BN 複合体材料とその実用化)九州産業技術センター

1999

  • 1999年採択経済産業省の地域コンソーシアム研究開発制度で「高純度・透明石英ガラスの省エネルギー型製造技術の開発」を受託経済産業省

1989

  • 1989年沿革創業300年。赤坂美術品工場を新設

1985

  • 1985年出来事六方晶窒化ホウ素(h-BN)の常圧焼結に成功(自社は「世界で初めて」とする)

1978

  • 1978年出来事低膨張セラミックス「ウルセラム」を開発

1976

  • 1976年受賞アルミナ磁器製の溶鋼連続測温用保護管が日刊工業新聞「76年十大新製品賞」に日刊工業新聞

1972

  • 1972年出来事高純度アルミナ磁器「ジェムラン」(純度99.95%)を開発

1970

  • 1970年上市・量産碍子工場内に特殊磁器工場を建て、電子部品向けのステアタイト磁器の生産を始める
  • 1970年商号変更香蘭合名会社から株式会社香蘭社に組織を変える

1967

  • 1967年沿革岐阜工場(多治見市)を新設

1952

  • 1952年認証碍子工場が JIS 表示許可工場になる

1941

  • 1941年子会社設立香蘭碍子販売と香蘭社陶磁器販売を設ける

1913

  • 1913年販売硬質高圧碍子を製造し、東京芝浦製作所などに納める東京芝浦製作所

1896

  • 1896年出来事宮内省大膳寮から御用品製造を拝命宮内省

1879

  • 1879年7月10日創業香蘭合名会社を設立(九州で最初の法人企業。現在の株式会社香蘭社)

1878

  • 1878年受賞パリ万国博覧会で金賞

1876

  • 1876年受賞フィラデルフィア万国博覧会で褒状

1875

  • 1875年創業八代深川栄左衛門らが合本組織香蘭社を設ける

1870

  • 1870年沿革工部省電信局の求めで、八代深川栄左衛門が日本で初めて磁器製の電信用碍子をつくる工部省電信局

1689

  • 1689年創業初代深川栄左衛門が有田で陶磁器製造を始める
免責事項

掲載内容は公表資料・各社の公式情報をもとに編集部が整理したものです。最新の情報は各社の開示資料・公式サイトをご確認ください。

香蘭社
(準備中)